空手の仕合は真剣勝負なのだ。仕損じたらもう一番——そんな気持では修行にならぬ。相手を仕止め損じたら自分の命は無いものと覚悟すべきだ。ところが国主の御稽古には、その覚悟がない。仕損じたらこんな目に遭う、そういうことを身をもって知って頂きたいと思った。だから上段目がけて飛ばれた御足を、思い切り手万で打った。続いて蹴って来られた二の足を、腕受けで引っかけて払い飛ばした。そして、お身体が横倒しに地に落ちるところを、思う存分体当りをした。そうしたらけし飛ばれたよ。三、四間も……」
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