先生の腕力の強いことは当時その右に出る者はないといわれた位で、よく酒席などで安里先生と腕相撲をされたが、さすがに、
「これはいかん、両手を使っても適わん」
などとよく笑われたものである。
 沖縄の腕相撲は、東京でやるような腕相撲とは違って、拳を握ったまま、手首のところを互いにかけて押し合うのである。つまり空手にある腕受けの形である。糸洲先生の腕力の強いことは前にもふれたが、こんな話もある。

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