安里先生はよく私達に話をされたものである。
「人間の性格には満、寸、越の三通りある。漢那君は満の性で無頼の豪気だから、まずもって相手を呑んでかかるという性質をもっている。こういう人にこちらが寸か越になって迎えるがいい。漢那君が立合いざま、いきなり突こう突こうとするから、こちらが隙を見せるとそれが誘いか何かそんなことは考えずに、かさにかかって飛びかかってくる。だから他愛なくこちらの術に陥るんだよ」
 このお言葉の中には、思い当ることが…

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