空手の他に得意とした剣道は示現流だったと思うが、余程自信をもっておられたらしく、日頃大言壮語することの嫌いな先生が、時々冗談のようにいわれたものである。
「真剣の勝負なら、誰に仕合を申込まれてもいつでも応じられるよ」
 事実、その実力は素晴らしいものだった。剣道自慢の漢那庸森という先生に、真剣で斬り込ませながら、腕でサッと外して、ピタリと押えて動かさなかったことを見ても、それはわかる。
 この漢那先生も有名な武士であった。

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