「孟母三遷(もうぼさんせん)」という言葉があります。

意味は:

孟母三遷:

子供は周囲の影響を受けやすいので、

子供の教育には環境を選ぶことが大切であるという教え。

詳細背景:

孟子は幼いときに父親を失い、母親一人の手で育てられた。

最初墓の近くに住んでいたが、息子が葬式の真似ばかりするので

教育上好ましくないと母親は思い、市場の近くに引っ越した。

息子は今度は商人の真似ばかりして遊んでいる。

やはりここも好ましくないと思った母親は、今度は学校の近くに引っ越した。

すると息子は祭礼の道具を並べて、儀式の真似をして遊ぶようになった。

母親はこここそ息子の教育にふさわしい場所だといって、

初めて安心して住まいを構え住みついたという。

(出典:『列女伝』鄒孟軻母(すうもうかぼ))

 

この逸話のように、実は

「子供が成長していく過程で、最も影響を受けるのは、

父母からの指導・教育などではなく、子供の友達や周りの環境」

であることは、多くの調査で明らかになっています。

 

(注) 結構多く、教育関連の論文などで、上記を確認しましたが

  手許に残っていませんので、証拠として、提示はできませんでした。

 

これは、少し考えると、

「父母は子を大切にするので、子供が困難を感じるのは

友達をはじめ、周りの環境にどう適用するか?」

であることからも納得できると思います。

 

よって、

「両親(父母)は、子供に環境を提供することくらいしかできず、

後は子供の判断と努力」

なんです。

 

よく、

「子供を東大に入学させた母の教育法」などが話題になりますが、

多くの場合、「子供に用意した環境」が重要で、さらに、

「東大に入学できるだけの勉強をしたのは子供で、親ではない」

のです。

 

また、

「親の心、子知らず」と言われるように、

「子供が最も恣意的に解釈できるのは、親の想いや行動への解釈」です。

それは、最も「甘えて、曲解も可能なのが、親の想いや行動」への解釈

だからです。

 

     親心(陰ながら応援)

(出典:イラスト素材:陰ながら見守る人

 

もし、

「子育てに悩んだら、そういうものなんだ」

「子供は、親に最も甘えているんだ」

と思ってください。

 

そして、

「同じことを、子供にしても、それをどうとるかは

それぞれの子により、ある子は感謝し、ある子は虐待だ」

と思うことさえあること

を心に留めておいてください。

 

例えば・・・・
ある子は
「つらかったけど、勉強をさせられ、怠けずに頑張ったから
 今があるんだ。ありがたいと思う」
といい、別の子は
「小さい時、強制的に塾に行かされて勉強させられたんだ
あれは、虐待だった」
ということがあります。
こう書くとわかると思いますが、結局、子供の感じ方なんです。

 

上の例で行くと、

ある子は、他人や親がしてくれることは、自分を思ってしてくれる事

と感じられる素地があり、

別の子は、他人や親がすることは、自分の自由を制限するものだ

と感じる素地があるということに起因しており、

親や他人は、この感じ方の素地を作る手助けしかできない
ということなんだと、僕は思っています。

 

そして、最後に一言付けくわえると、冷たいようですが・・・

「親だけではなく、誰かがしたことを

ある子は感謝し、ある子は虐待だととり、

感謝感じる子と楽隊だと感じる子はそれぞれ、

違う人生を歩むしかない」

ということも、変えられない事実です。

 

蛇足ですが・・・

それにしても、

「孟子のお母さんが、上記の状況になった時、

あ!、環境のせいなんだ!」と判断され、引っ越しをされたのはすごいなぁ

と、僕は思ってしまいます。