当たり前ですが、
「人には寿命があり、ギネス世界記録は122歳」
だそうですが・・・
「太古の生物に「死は存在しなかった」らしいのです。
上記の記事によると・・・
「地球上で生命は約38億年前に生まれました。
この生命誕生から約18億年間、
実は「死」そのものが存在しなかったのです。」
すなわち、当時の生物は
「ただ1個の細胞だけでできている単細胞生物」
で、ただ、分裂し、増殖を続けるだけで、
「細胞死」というもの、すなわち寿命はなかったわけです。
生命誕生「単細胞生物」から約24億年の旅を経て
「多細胞生物」になった生物に「寿命」というものが
生まれました。
これは、DNAの複製を繰り返すことで起きるコピーミスで、
「多細胞生物」としての「機能不全」により、
種が絶滅する可能性が非常に高くなりますが、
この「種の絶滅」を避けるために生まれたのが、
「寿命」
=「ある一定の時間を生きてDNAが傷ついた個体は消去するシステム」
だそうです。
この「DNAが傷ついた個体は消去する機能」を「アポトーシス」と呼びます。
「アポトーシスはDNAコピーミスが蓄積した細胞が自ら進んで死んでいくこと」
を意味しています。
一般に、何らかの病気でなく、寿命を迎えることを
「老衰」とか「自然死」と呼びますが、
実は、「DNAコピーミスの蓄積による細胞の自殺」
だったということです。
これが、
「種の絶滅を避けるための利他的なものである」
ことを考えると、細胞レベルでは、生物は実に奥ゆかしい
と思いませんか?
それなのに、人類となると、どうして、
こうもわがままで、利己的なのかなぁ!
と嘆かわしくなります。
(注)細胞の分裂回数を決めるテロメア
テロメアは特徴的な繰り返し配列をもつDNAと、
様々なタンパク質からなる染色体の末端にある構造です。
そして、このテロメアは細胞分裂(細胞複製)のたびに
短くなり、ある長さより短くなると、細胞分裂できなくなる
ことが知られています。
ただし、テロメアの長さが長いと、長寿であるとは簡単に
言えないようです。
テロメアとは
(出典:渋谷セントラルクリニック:テロメア検査)
(注)ネクローシス
ここで取り上げた「アポトーシス」は「自然死=寿命」に関するもので
各種外的要因による障害で、細胞が壊死する
「ネクローシス=事故死」とは異なるものです。