昨夜就寝中、軽い金縛りを感じたので目を覚ますと足元に真っ黒の人影が立っていた。

人影らしきものと言うべきか。

 

ぱっと見ではその性別は分からず、ただ、背を曲げた姿に見えた。

そう見えたのだろう。

 

これが初めてではない、怖さもなかった。

起き上がってその場所を確認してみたが、勿論、実体はなかった。

別に誰でもいいけど、いきなり現れたくせに、黙ったままではらちが明かない。

だから、確認した後、すぐに寝た。

 

こんな時にいつも思う、人間の目が見ているものは一体何なのかと。

見えているように感じるのは、何だろうと。

目が見ているのか、脳が見ているのか、心が見るのか、気が狂っているのか。

見えないものが見える、見えたように感じる、見えたように思いこむ、どれが正解なのか、答えが見つからないので人間の不思議さがとても厄介に思える。

 

ただ、個人的に嫌いな人間のタイプとして、見えるものしか反応しない奴、見たままのことしか言わない奴という条件がある。

単純で単細胞で短絡的な人間は嫌いだ。

決まって、そういう手合いにこのような話をしても、こちらの思惑は全く伝わらない。

だから、そういうタイプの人間とはなるべく関わらないようにしている。

 

子供の頃から、何度となく、不可思議な夜を覚えている。

それが現実だったのか夢うつつだったのか。

明るい時にはさすがに現れない、しかし、明るいと眠れない、子供の頃からそうだった。

だから今夜も部屋を真っ暗にして寝る、身についてしまった習性は死ぬまで変えられない。