映画『アルコ』 | 空想俳人日記

映画『アルコ』

 昨月3月末に観た映画『アメリと雨の物語』もそうだったけど、この『アルコ』も、みっちゃんに教えてもらって観ることにしたアニメ映画なんですよ。
 午後からの鑑賞だったので、先にお昼飯。映画が、森や生き物たちがいっぱい出てくるのを予告で観たので、スガキヤさんで野菜ラーメン。映画券で大盛り無料。

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 さて、あらすじを、ネットから引用。

 気候変動が進んだ近未来を舞台に、時を超えて空から降ってきた少年と、荒廃した世界で生きる少女の出会いと冒険を描いたフランス発の長編アニメーション。
 気候変動により荒廃した2075年の世界。10歳の少女イリスは、不思議な虹色の物体が空から落ちてくるのを目撃する。それは、虹色の飛行スーツでタイムトラベルが可能になった未来から不時着した少年アルコだった。未来へ帰るための手がかりを求めるアルコと、現実に縛られたイリスは、虹色のスーツに秘められた謎を追いながら、未来へとつながる虹の道を探す旅に出る。しかし、謎の三つ子から追撃を受けてしまう。
 本作が長編アニメーション初監督となるウーゴ・ビアンブニュが5年の歳月をかけて制作し、どこか懐かしく温かい物語をあざやかな色彩で独創的に描き出す。俳優のナタリー・ポートマンが製作に名を連ねた。2025年アヌシー国際アニメーション映画祭の長編部門グランプリ(クリスタル賞)を受賞。第98回アカデミー賞長編アニメーション賞にノミネート。
 2025年製作/88分/G/フランス
 原題または英題:Arco
 配給:AMGエンタテインメント、ハーク
 劇場公開日:2026年4月24日




 前に観た『アメリと雨の物語』もそうだけど、この『アルコ』も、フランスのアニメ作品だ。確かに、どちらも、日本の漫画やアニメを相当意識して作られているのはありありだが、案外、昨今の日本のアニメを超えているのではなかろうか。しかも、完全に、日本を意識した作法のアニメだよ。

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 この『アルコ』も、2075年の少女イリスと、さらに未来(いつとは語られていない)の少年アルコの惹かれあう二人は、名前こそ、あちらネームだが、明らかに日本人っぽい顔をしている。そして、あのジブリアニメ『天空の城のラピュタ』と、シータとパズーじゃないか、そう思える。なんせ、冒頭、空からシータが降ってきた。こちらは、虹を描いて未来からアルコが降ってくる。
 もちろん、イメージの共通性はあるが、テーマは似て非なりだ。ラピュタの話は、シータがいた高度な文明の崩壊の話で、確かに、未来を予言している気もするが、このアルコは、まさしく、舞台が2075年であろうが、現代社会がこのまま進めば、こうなる世界を描いている。

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 そして、彼らが地球にしたことが、ここで説明もなく描かれている山火事を象徴するように、現代を象徴し、家事一般はロボット、父母は遠いところからホログラムで一緒に食事(だから一緒にいない)、そして、未来から来たアルコをお手伝いロボットは、存在しない人物として判断し故障する。
 学校へ行けば、ロボットがバーチャルの世界に誘って、天文学や生物学、歴史なども教える。そして、治安当局の警察もみんなロボット。AIで人間が干されようとしている今なら分かるよね。

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 イリスは、こんな世界での授業も嫌いで、世界が変わってほしいと願っているのだ。そこへ、未来から、アルコがやってくる。遠い場所からホログラムでしか一緒にいられない両親よりも、イリスは、アルコに興味を抱く。なんせ、鳥の言葉を知っているからだ。ここで、理解すべきなのは、イリスの世界は、今の地球の一歩先でしかない。なんでもAIに任せ、気候変動で森林は山火事を起こす、そういう情景の中、イリスは、鳥と会話できるアルコが好きになる。当然だ、アルコの住む世界は、イリスの住む世界の人間たちが地球を台無しにしたために、地上で住めなくなって、空中に木々の枝葉を延ばした場所の丸い空間で住むようになる。地球が旱魃で痛手を受けているから地球を休息させるためにと、そう言っている。つまり、現代人が地球にしでかしたことに反省しながら高度かつ自然な暮らしをしている未来だ。

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 いいですか、ここが大事なんです。『天空の城ラピュタ』よりも、最後に感動して涙が流れてやまないのは、2075年のイリスの世界が今の現代社会がイケイケで地球を疲弊させている世界であり、その未来のアルコの世界は、そんなイリスの最悪の人間社会の末に、地球の地面に住めなくて、地球に休息を与えるために、木々の枝の上、まるで鳥たちの住処のような場所で、できる限り自然を作って、小鳥たちとも会話して過ごしているんです。

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 そんな未来のアルコと、地球が一番最悪な時のイリスが出会って、仲良くなるって、もう、泣けるじゃないですか。アルコに「私も連れてって」というのは、彼女の父母もホログラムで一緒に食事するだけで触れ合えないんです。それに対して、イリスは、アルコに何度も手を差し伸べます。「ああ、その手をつかんで連れてってあげて」見ているものにそう思わせます。こんな感動、お涙頂戴じゃなくて、未来予測も踏まえた、今と明日の二人の友情、ほんと、愛情の物語なんですよ。『天空の城ラピュタ』も、残念ながら、ここまでは描けていません。ここに描かれているのは環境破壊だけではありません。人間に対する統制であり、秩序を乱すものは、AIとも言えるロボットが取り締まります。人間性を育むことを放棄した学校教育もAIならぬロボットとバーチャル映像が駆使されてます。それに対し、イリスは、気分を害して外に出ます。そんな体制の秩序をロボットが監視するのは現代につながります。
 でも、お手伝いロボットが、一時は、存在しないはずのアルコを警察に突き出しますが、イリスとアルコが逃げる場面で、警察当局のロボットを振り切って二人を助けようとするんですけど、山火事で痛手に会い、洞窟に二人とともに入り混むんですが。その後のシーンも泣けます。壊れかけたお手伝いロボットが、洞窟の壁に壁画を描いているんです。これまでの思い出を描いてるんです。そして、イリスとアルコが虹になって飛ぶシーンも。泣けます。この壁画のおかげで、アルコの家族は、時空を飛び越え、彼を見つけられるんです。ずいぶん年老いて。

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 この映画を観た後、誰もが、虹を観たら、この映画を思い出します。何故なら、虹は、私たちの願いであり、その願いをかなえてくれる未来を描いてくれてるからなのです。
 こんな素晴らしいアニメ作品なのに、なんと、イオンシネマ名古屋茶屋では、一日一回だけの上映なんです。コナンやマリオなど、何度も上映しているけど、あんな無難で何のメッセージもない作品よりも、みんな『アルコ』を観るべきです。この未来からのメッセージを、ひしひしと受け取るべきです。


映画『アルコ』 posted by (C)shisyun


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