民族博物館なんだと改めて認識して訪れたリトルワールド
前に訪れたね。AMI結成当時で二人で訪れた。
今回はボク一人だ。本当はAMI-RENを利用して来たかったけど、調整つかず、JAFの半額優待が使える日に一人で行ってきたよ。シニア料金にWEB購入で半額だから、750円。
いやあ、一人で行って、良かったかも。つうのも、ボクが、アイヌ研究が発端で、アイヌ民族だけじゃなく、世界の民族には、今の国家主義じゃない精神性が流れているのではないか、そう思って、観に行った。
だから、世界の国ではなく、民族を知りたい、にわか民族知識だけど、意識が高まっちゃってて、みっちゃんを巻き添えにするのは、ちと酷かなあ、そうも思っての単独行動。
最初に野外を観る前に、コンセプトを観た。しかも、開館40周年のパネル展示もあった。この施設ができた話には感動した。何故なら、世界というと、今は国を思い起こすだろうが、世界は、民族の集まりだったのだ。そんな民族が営んでいた生活や交易、そして精神世界、それが館内に描かれている。極めて重要だ。
「エスキモーの伝統的な食生活は狩猟によって得た生肉が中心です。アザラシやセイウチ、クジラ、カリブー(トナカイ)などの大型海獣・動物、サケやマスなどの魚を捕獲していました。寒冷な気候のために植物採集によって栄養を得ることは困難ですが、その代わりに生肉を食べることで、ビタミンCやビタミンDといった栄養を摂りました。もし、エスキモーの人びとが肉を煮たり焼いたりして食べ続けたら…必要な栄養が摂れず、病気になってしまうかもしれません。」
驚きだ。
「イトゥリを含めたアフリカの森林は、1990年代から外国企業による開発が進み面積が大きく減少しました。森の近くを伐採会社のトラックが走るようになり、モノや人がひんぱんに出入りするようになりました。過度な伐採の影響で環境破壊が進んだ土地もあります。森の民のくらしは、森の外―私たちを含めたグローバルな関係の中で変わりつつあります。 」
本当に考えねば。
「コンゴ民主共和国(旧ザイール)のイトゥリの森で採集狩猟生活をする民族ムブティが、カサブルという植物の大きな葉でつくるエコンビと呼ばれる目印は、動物の種類や自分の属する集団をあらわします。獲物を追うとき、根元を進行方向に向けて置いてゆくことによって、道に迷わず、仲間に行き先を伝えることができます。」
「 西アフリカから中部アフリカにかけての地域では、人間が話す言葉の特徴をなぞって、太鼓の音の高低、強弱、長短によりメッセージを伝える習慣があります。」
言語の多様性も知る。アイヌのユカラ(口承文芸)も興味深い。
「人とのお付き合いにとって、『贈り物』は重要な意味を持ちます。たとえば、誕生日や記念日にはプレゼントを贈るなど、私たちが誰かと親しい関係を続けたいと願うとき、想いや願いをこめて物や言葉を贈り合います。ポイントは、貰いっぱなしではなく『お返し』をすること。たとえ見返りを期待されていなくても、感謝の気持ちを表したり、別の機会に返礼をすることで、人間関係が円滑に進むというわけです。こうした『贈り贈られる』ことを『互酬性』といいます。」
「島で生きる人々にとって、他の島との関係を良好に保つことはくらしと直結する問題です。そのため交易は、単なる経済活動だけはなく、友好関係を深め人々の結びつきを強める役割を持っているのです。」
アイヌでも、この交易での「贈り物」は重要な意味を持ってましたね。
「ドゴン人は、西アフリカ、マリ共和国の中央部に住む農耕民です。ドゴンの神話は天地創造の神話をはじめとして、壮大な宇宙観、世界観を持っています。ドゴン人は、特徴ある図形を規則的に用いた仮面を作る人々として有名です。」
「ドゴンの神話では、人間の過ちによって世界に死が出現し、その混乱を鎮めるために死者をかたどった仮面が作られるようになったと語られます。その後、狩人が獣を殺すたびに、あるいは何か重大な事件が起きるたびに仮面が作られるようになりました。仮面のモチーフはシカ、サル、ウサギといった野生動物から人間、そして首長の家までさまざまです。仮面は死と、死に関わる儀礼に結びついています。死者をほうむる儀礼に仮面が登場し、仮面の力によって死者は生者の世界と切り離されます。」
興味深い。日常、そんな仮面を私たちは被っているのかもしれない。
上記にもあるように、私たちは、国を超えて交流することって重要だと思うだろうが、実は、交易の源、交流には、プレゼントがあったのだ。私たちは、欲しいものがあったらお金を出して買うが、その前に、あの人にプレゼントしたい、そういう気持ちが本来あるわけだ。それが交易の原点だ。アイヌ文化にも書かれていた。
それが崩れていったのは、商品化と貨幣だ。世界的にも商品化と貨幣の登場で、人間は様変わりする。民族の団結に水を差す輩が増えていく。
以上が本館展示。
そして、いざ、屋外へ。
以前にみっちゃんと訪れた時と同様、今回もわざと逆回りだよ。
先に山形や韓国、ネパール、インド、トルコ、タイを訪れた。
これらで重要なのは、仏教文化。以前、ネパール仏教寺院を訪れたとき、現地の人が絵を描いている最中だったよ。それが完成してた。
そうしてアフリカ。ホモサピエンスの出発地点。
今回、意識して民族を考えながら巡ったおかげで、南アフリカのンデベレ族も注目の的であった。おうちに幾何学模様を描く芸術家さん。ビーズ細工でのお人形作りも得意だねえ。
お昼飯をアフリカンプラザでワニを食った。冬季限定のワニラーメンをまだやってた。ワニの骨からとった出汁を使ったスープに、ワニのから揚げをトッピング!
ワニ尽くしの贅沢ラーメン。今だけ★500円。
ほかにも、バッファローやエミューの肉の焼き鳥(バッファローは鳥じゃないか)もあったけど。
その後、イタリア・アルベロベッロやフランス・アルザスやドイツ・バイエルン。どうも、自分が西洋文化に幼少から被れているので、一番落ち着くのってのはどうなの?
ミクロネシア、ポリネシア。
すげえ、石の貨幣。木の棒に通して、二人で運ぶのか。
バリは、行ったことあるけど、あそこは、やっぱ、神がかりの音楽芸術が凄いよねえ。たぶん、今でも神聖の地だと思う。
そのあと、ペルーから台湾へ。
そして、ひとつ飛ばして、沖縄石垣島。
さて、ひとつ飛ばしたのは、何故か。そこが、アイヌなのよ。今回のリトルワールドで一番見たかったのが、アイヌなのねえ。はじめ、北海道、行くかあ。あ、ちょと待てよ。この愛知には、リトルワールドという民族博物館があるじゃないか。そこで、見られるじゃないか、それが事の発端なんだね。
「明治時代に入ると、アイヌモシリは一方的に日本の領土に組み込まれました。アイヌ語や伝統的な生活習慣は否定され、その多くを失いました。今では、話す言葉も暮らしぶりも他の日本の人びとと変わりません。近年、アイヌ民族の伝統と誇りを回復しようとする動きが各地で高まっています。アイヌ民族の代表が国会や国際的な会議の場で積極的に発言し、先住民族としての地位と権利の回復が議論されるようになっています。また、地域・団体・個人により、独自にアイヌ文化啓発活動を行っています。現在、アイヌ民族の人口は、数万人ともそれ以上ともいわれ、全国に生活の場が広がっています。民族同士が共 生できる社会の実現を目指して、多くの人びとが様々な努力を続けています。」
紙面で学んだことが、ここで改めて体験できた。よかった、そう思う。
世界は、植民地化政策により、杓子定規という定規で国境ラインを民族無視して引いてしまった。私たちは国という単位ではなく、共に生き共に暮らしてきた民族という視点で今、世界を見つめ直すときに来ていると思う。
民族博物館なんだと改めて認識して訪れたリトルワールド posted by (C)shisyun
今回はボク一人だ。本当はAMI-RENを利用して来たかったけど、調整つかず、JAFの半額優待が使える日に一人で行ってきたよ。シニア料金にWEB購入で半額だから、750円。
いやあ、一人で行って、良かったかも。つうのも、ボクが、アイヌ研究が発端で、アイヌ民族だけじゃなく、世界の民族には、今の国家主義じゃない精神性が流れているのではないか、そう思って、観に行った。
だから、世界の国ではなく、民族を知りたい、にわか民族知識だけど、意識が高まっちゃってて、みっちゃんを巻き添えにするのは、ちと酷かなあ、そうも思っての単独行動。
最初に野外を観る前に、コンセプトを観た。しかも、開館40周年のパネル展示もあった。この施設ができた話には感動した。何故なら、世界というと、今は国を思い起こすだろうが、世界は、民族の集まりだったのだ。そんな民族が営んでいた生活や交易、そして精神世界、それが館内に描かれている。極めて重要だ。
「エスキモーの伝統的な食生活は狩猟によって得た生肉が中心です。アザラシやセイウチ、クジラ、カリブー(トナカイ)などの大型海獣・動物、サケやマスなどの魚を捕獲していました。寒冷な気候のために植物採集によって栄養を得ることは困難ですが、その代わりに生肉を食べることで、ビタミンCやビタミンDといった栄養を摂りました。もし、エスキモーの人びとが肉を煮たり焼いたりして食べ続けたら…必要な栄養が摂れず、病気になってしまうかもしれません。」
驚きだ。
「イトゥリを含めたアフリカの森林は、1990年代から外国企業による開発が進み面積が大きく減少しました。森の近くを伐採会社のトラックが走るようになり、モノや人がひんぱんに出入りするようになりました。過度な伐採の影響で環境破壊が進んだ土地もあります。森の民のくらしは、森の外―私たちを含めたグローバルな関係の中で変わりつつあります。 」
本当に考えねば。
「コンゴ民主共和国(旧ザイール)のイトゥリの森で採集狩猟生活をする民族ムブティが、カサブルという植物の大きな葉でつくるエコンビと呼ばれる目印は、動物の種類や自分の属する集団をあらわします。獲物を追うとき、根元を進行方向に向けて置いてゆくことによって、道に迷わず、仲間に行き先を伝えることができます。」
「 西アフリカから中部アフリカにかけての地域では、人間が話す言葉の特徴をなぞって、太鼓の音の高低、強弱、長短によりメッセージを伝える習慣があります。」
言語の多様性も知る。アイヌのユカラ(口承文芸)も興味深い。
「人とのお付き合いにとって、『贈り物』は重要な意味を持ちます。たとえば、誕生日や記念日にはプレゼントを贈るなど、私たちが誰かと親しい関係を続けたいと願うとき、想いや願いをこめて物や言葉を贈り合います。ポイントは、貰いっぱなしではなく『お返し』をすること。たとえ見返りを期待されていなくても、感謝の気持ちを表したり、別の機会に返礼をすることで、人間関係が円滑に進むというわけです。こうした『贈り贈られる』ことを『互酬性』といいます。」
「島で生きる人々にとって、他の島との関係を良好に保つことはくらしと直結する問題です。そのため交易は、単なる経済活動だけはなく、友好関係を深め人々の結びつきを強める役割を持っているのです。」
アイヌでも、この交易での「贈り物」は重要な意味を持ってましたね。
「ドゴン人は、西アフリカ、マリ共和国の中央部に住む農耕民です。ドゴンの神話は天地創造の神話をはじめとして、壮大な宇宙観、世界観を持っています。ドゴン人は、特徴ある図形を規則的に用いた仮面を作る人々として有名です。」
「ドゴンの神話では、人間の過ちによって世界に死が出現し、その混乱を鎮めるために死者をかたどった仮面が作られるようになったと語られます。その後、狩人が獣を殺すたびに、あるいは何か重大な事件が起きるたびに仮面が作られるようになりました。仮面のモチーフはシカ、サル、ウサギといった野生動物から人間、そして首長の家までさまざまです。仮面は死と、死に関わる儀礼に結びついています。死者をほうむる儀礼に仮面が登場し、仮面の力によって死者は生者の世界と切り離されます。」
興味深い。日常、そんな仮面を私たちは被っているのかもしれない。
上記にもあるように、私たちは、国を超えて交流することって重要だと思うだろうが、実は、交易の源、交流には、プレゼントがあったのだ。私たちは、欲しいものがあったらお金を出して買うが、その前に、あの人にプレゼントしたい、そういう気持ちが本来あるわけだ。それが交易の原点だ。アイヌ文化にも書かれていた。
それが崩れていったのは、商品化と貨幣だ。世界的にも商品化と貨幣の登場で、人間は様変わりする。民族の団結に水を差す輩が増えていく。
以上が本館展示。
そして、いざ、屋外へ。
以前にみっちゃんと訪れた時と同様、今回もわざと逆回りだよ。
先に山形や韓国、ネパール、インド、トルコ、タイを訪れた。
これらで重要なのは、仏教文化。以前、ネパール仏教寺院を訪れたとき、現地の人が絵を描いている最中だったよ。それが完成してた。
そうしてアフリカ。ホモサピエンスの出発地点。
今回、意識して民族を考えながら巡ったおかげで、南アフリカのンデベレ族も注目の的であった。おうちに幾何学模様を描く芸術家さん。ビーズ細工でのお人形作りも得意だねえ。
お昼飯をアフリカンプラザでワニを食った。冬季限定のワニラーメンをまだやってた。ワニの骨からとった出汁を使ったスープに、ワニのから揚げをトッピング!
ワニ尽くしの贅沢ラーメン。今だけ★500円。
ほかにも、バッファローやエミューの肉の焼き鳥(バッファローは鳥じゃないか)もあったけど。
その後、イタリア・アルベロベッロやフランス・アルザスやドイツ・バイエルン。どうも、自分が西洋文化に幼少から被れているので、一番落ち着くのってのはどうなの?
ミクロネシア、ポリネシア。
すげえ、石の貨幣。木の棒に通して、二人で運ぶのか。
バリは、行ったことあるけど、あそこは、やっぱ、神がかりの音楽芸術が凄いよねえ。たぶん、今でも神聖の地だと思う。
そのあと、ペルーから台湾へ。
そして、ひとつ飛ばして、沖縄石垣島。
さて、ひとつ飛ばしたのは、何故か。そこが、アイヌなのよ。今回のリトルワールドで一番見たかったのが、アイヌなのねえ。はじめ、北海道、行くかあ。あ、ちょと待てよ。この愛知には、リトルワールドという民族博物館があるじゃないか。そこで、見られるじゃないか、それが事の発端なんだね。
「明治時代に入ると、アイヌモシリは一方的に日本の領土に組み込まれました。アイヌ語や伝統的な生活習慣は否定され、その多くを失いました。今では、話す言葉も暮らしぶりも他の日本の人びとと変わりません。近年、アイヌ民族の伝統と誇りを回復しようとする動きが各地で高まっています。アイヌ民族の代表が国会や国際的な会議の場で積極的に発言し、先住民族としての地位と権利の回復が議論されるようになっています。また、地域・団体・個人により、独自にアイヌ文化啓発活動を行っています。現在、アイヌ民族の人口は、数万人ともそれ以上ともいわれ、全国に生活の場が広がっています。民族同士が共 生できる社会の実現を目指して、多くの人びとが様々な努力を続けています。」
紙面で学んだことが、ここで改めて体験できた。よかった、そう思う。
世界は、植民地化政策により、杓子定規という定規で国境ラインを民族無視して引いてしまった。私たちは国という単位ではなく、共に生き共に暮らしてきた民族という視点で今、世界を見つめ直すときに来ていると思う。
民族博物館なんだと改めて認識して訪れたリトルワールド posted by (C)shisyun