民族でわかる世界史 | 空想俳人日記

民族でわかる世界史

いま、世界中で起こっている紛争や対立の多くは「民族問題」に根ざしているが、我々は各地の民族がどこからやってきて、どのようにして、そこに存在するようになったのか、ほとんど知らない。
ロシアがウクライナに侵攻した背景にも、根深い民族問題が存在している。
本誌はアフリカで誕生した最初の人類が拡散し、今に至るまでに経験した衝突と融合の軌跡を追うことで、世界の紛争や対立の根本原因を解き明かす。


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 世界の歴史で民族っていうとゲルマン民族の大移動しか覚えていない。でも、世界のあちこちで紛争が起きてるのは民族間のもめごと。何故に歴史の教科書に載らない?

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 この本を読んで思ったこと。学生の時に学んだ世界史の教科書には、重要なことがかなり欠如していたのではないか、と。ボクは、世界史よりも日本史を選択した人間なので、世界史に関して、ああだこうだ述べる資格はないと思うが、この本を読んでると、どのページも、目の前の霞みがかっていたモヤモヤが消えていくのだ。

【序章 「民族」はこうしてはじまった】

 ネアンデルタール人とホモ・サピエンスの時代から紐解かれている。ネアンデルタール人は滅んでホモ・サピエンスが進化を遂げるのだが、ボクは、少しでも自分の中にネアンデルタール人の遺伝子が残っているのなら、その遺伝子を大切にしたい。

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【第1章 なぜロシアはウクライナに侵攻したのか】

 そして、その後の民族の成り立ち。この民族学を学べば、例えばいかにスラブ民族が迫害されてたか、実は、美しい女性がいたから性奴隷の商品だったらしい。ロシアの人たちは、ほぼスラブ民族だ。そして、ロシアは、第二次大戦まで、違う民族が支配してた。

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【第2章 日本を取り巻くアジアの民族】

 ボクは、弥生人よりも縄文人が好きだ。ま、それは置いといて・・・。
 何故に、こういう話を学生時代の世界史で学べなかったか。どうやら、日本は、西洋諸国と同じスタンスだから、民族の話をしたくないらしい。アイヌや琉球のこともある。あと、中国とは袂を分かった台湾。日本の影響は大きかった。親日派も多き台湾。

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【第3章 世界を支配したヨーロッパの民族】

こういうことも含めて、歴史を学ぶには、民俗学を導入しないといかんと思う。日本の学校教育は、世界史の教科書だけでは間違った方向に行ってしまう。新大陸発見なんてすばらしいことのように書かれてるけど、先住民族の奴隷化じゃん。さらには、黒人の奴隷化じゃん。西洋文化は、自己中心の人を人と思わぬ文明だよ。

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【第4章 ユダヤ人とムスリム】

 ナチスの迫害により世界に散ったユダヤ。そして、エルサレム建国によるアラブ人との衝突。

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【第5章 超大国アメリカの民族】

 新大陸発見ではない。そこにはすでに先住民族が暮らしていた。また、ボクは、黒人奴隷クンタ・キンテのドラマ『ルーツ』を忘れない。黒い積み荷と白い積み荷、アメリカ合衆国は、多くの民族を迫害・奴隷化しながら建国した。

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【第6章 世界の民族】

 西洋人は、民族関係なしに、植民地化戦略から、まったく人間性を欠いた国境を線引きした。そうした結果、分断された民族が多数ある。その最も典型的なのが、そのことで国を失ったクルド人。

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 民族は、いわゆる生活共同体で、今後の地球の未来像を描くのに大切なコモン・コミュニズム論の礎になるかもしれないのだ。
 だからだ、岡本太郎氏は、フランスで若くして民俗学を学んだんだ。
 学校の世界史の授業の副読本に、この本を使えば、もっと世界が鮮やかに見えてくると思うよ。
 なんか、もう一度、リトルワールドへ行きたいな。リトルワールドって、ひょっとかしてもしかして、重要かもしれない。


民族でわかる世界史 posted by (C)shisyun


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