7月30日の南吉さん誕生日に南吉童謡をライブ配信します | 空想俳人日記

7月30日の南吉さん誕生日に南吉童謡をライブ配信します

 今度の木曜日(7月30日)は、新美南吉さんのお誕生日です。そこで、AMIは、新美南吉さんの詩に曲を付けて歌う南吉童謡を、YouTubeでライブ配信いたします。お昼の12:30~を予定しております。

「南吉さんお誕生日おめでとうライブ配信」
日時:2020年7月30日(木)12:30~
場所:YouTube
演奏:AMI
曲目:♪一年詩集の序~ででむし~
   ♪小さな星
   ♪天国
   ♪明日



 詩を以下、掲載しておきます。

『一年詩集の序~ででむし~』

生れいでて
舞う蝸牛の
触角のごと
しづくの音に
驚かむ
風の光に
ほめくべし
花も匂はば
酔ひしれむ


『小さな星』

彼ハ小さな星です
片隅にまたたいています
太陽の雄弁もありません
月の叙情も持ちません
金星の魔術もないのです
彼は小さな星です
花屋が落としていった菫ノ一輪です
少女がすった燐寸の一本です
草の葉にかくれた子供の蛍です
夜 それぞれの星が それぞれの
  沈黙で歌うとき
遠い太古、深い森、
黒い海、大きな炎、
戦争やときめく心臓のことなど
  歌うとき
彼は小さな星です
小さい蟲や小供のことを
うたいます
咳をしながらとぎれとぎれに
うたいます

風が吼える晩や
霧が湧く夜は
どっかへ隠れてしまいます

月が照らす空や
窓の明るい街では
自分の火をふきけしてしまいます
彼は小さな星です
梢の小枝にひっかかって
小さい眼をしばたたいています。


『天国』

おかあさんたちは
みんな一つの、天国をもっています。
どのおかあさんも
どのおかあさんももっています。
それはやさしい背中です。
どのおかあさんの背中でも
赤ちゃんが眠ったことがありました。
背中はあっちこっちにゆれました。
子どもたちは
おかあさんの背中を
ほんとうの天国だとおもっていました。
おかあさんたちは
みんな一つの、天国を持っています。


『明日』

花園みたいにまつてゐる。
祭みたいにまつてゐる。
明日がみんなをまつてゐる。

草の芽
あめ牛、てんと虫。
明日はみんなをまつてゐる。

明日はさなぎが蝶てふになる。
明日はつぼみが花になる。
明日は卵がひなになる。

明日はみんなをまつてゐる。
泉のやうにわいてゐる。
らんぷのやうに点ともつてる


 ぜひ、鑑賞していただき、南吉さんのお誕生日を一緒に祝いましょう。

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