ミリオン・ダラー・ベイビー | 空想俳人日記

ミリオン・ダラー・ベイビー

クリントにゃ そこらの親父しかない 味がある    



 この作品、見たのちょいと前で、自分のHP にも掲載したけど、このブログでも言わせてちょうだいね、言いたいから。

いつのまにか監督業まで手掛けられるようになったクリント・イーストウッド様。ご出世おめでとうございます。でも、出世なさった感じがしないのは、あなた故でしょうね。


初めて、あなたを見初めたりしは、あのイタリアのパスタ屋さんが作る映画にいきなり登場なすった頃のこと。本当は、本国アメリカで有名になりたかったのでしょうね。でも、仕方なしに本場ウエスタンからすれば「何じゃこれ」の似非ウエスタンに登場してしまった。
「ハリウッドが仕事くれんから、出稼ぎに行くしかなかろう」そんな当時の彼の声が聞こえてきそう。
でも、あのマカロニカルなウエスタン、時代を築いちゃった。本場を凌いじゃった。そして、それら作品の主人公のお一人、それがあなた。他にはジュリアーノ・ジェンマやフランコ・ネロ。でも一番の立役者はあなたですよ。
言い方悪いかもしれないけれども、あの二流というかB級というかに徹した演技は強烈だった。
「おまえ悪い奴。おれ、いい奴」なんて言って、だから、死ぬのは俺じゃなく、お前だ、見たいなこと抜かすようなネタ晴らし的演技。VSOP(ベり―・スペシャル・ワン・パターン)なる金太郎飴的なストーリー。それでも、何故か、そこでの役者の技量というか。まるで吉本新喜劇。
何でもいいから、まあ有名になった。そして本国に錦を飾った。拍手。そして、例えば、ダーティ・シリーズなどなど。おもしろい役も十分にこなした。で、あららあらら、いつのまにか監督かよ、すげえぜ。

だいたい、有名になれば、その後、昇るべき階段は目の前にいくつも用意されるはずなのに、それを利用してご立派になられる様子は全然ない。相変わらず、マカロニ時代をそのまま年齢とともにおじん役を演じていった。なあんだ、地を踏みしめる一介の親父かよ。
そういやあ、宇宙に行く映画、「スペースカウボーイ」だっけ。まさしく、彼のための映画だったんやないかえ。なんせ、宇宙ったって、所詮、舞台が変わっただけよ。それなりに宇宙飛行士らしい分別臭いことを言って、先駆的なる英雄かつヒエラルキの頂点なる鼻持ちならない先生になる、そんな芸当は似合わないわね。馬がロケットに変わっただけじゃあない、ねえ。



そんなあことよりも、とにかく味がある。このトンコツラーメンの老舗のような、凄く染み出た味。黙ってても味わいが聞こえる、そんな作品に仕上がったのが「ミリオンダラー・ベイビー」だわね。そして、何も言わなくても、いや、言わないほどに、物語が語られる、そんな仕事をする人、いないんじゃないかなあ。いやあ、できた作品だね、秀作だよね。あんなに味のあるアメリカ映画作れる人、いないよね。マカロニのおかげだよ。それが有名におなりになられると平気でハンバーグやビーフステーキなどを食べ始める輩が多いのに。でも、そうなっちゃあ、おしまいだよね。いいよ、歳食ったから夕陽のガンマン廃業しただけさって感じ。
かっこいいことも何も言わん親父が、パートナーのボクサーの人生を誤らせた後悔の果て、あの生命の管を抜く。それは、あんたしかできん代物だ。そう、ジョン・ウェインもレッドフォードもできない仕事だよ。
誰も真似のできない人生、それを象徴する生き方、それがクリントだね。えっ、何。市長もやったの。あほかいな。じゃあ、今度は大統領やってよ。クリントならアメリカの軍隊を喜び組にも変えられるだろうし、日本の自衛隊は違憲なる軍隊だろ、そう平気で総理大臣以下、日本国民にぶちまけて言えるぞ。
大統領、もうやらんでいいから、ミリオン以上のビリオン作ってよ、見に行くから。