奥様は魔女 | 空想俳人日記

奥様は魔女

奥様は 普通の人でも みんな魔女   




「奥様は魔女」って言えばあ、エリザベス・モンゴメリでしょ。彼女がいくら魔女とはいえ、理想の奥さん、そう思っていた人って少なくないと思うな。
特に、旦那はん広告屋のコピーライターだったみたいで、いつも企業の媚を売るコビライターしてて、何故か途中で腰痛になったか知らないけれど、二代目旦那はんに変わっちゃった。
けど、同じ職業についちゃった人からは、めっぽう憧れの奥さんよね。(同じ職業って、誰のこと?)

ところで、最近、いきなり日本のテレビ局が明らかにリメイク版、作ったけど、「やめてええええ」と叫んだ。ストーリーといい、配役といい、イメージぶち壊し。一回だけ見て、二度と見なかった。


で、本作だけど、そうとう迷って観に行った。でも、仕方がないわね。奥様はニコールだもの。どう演じるか、見ものじゃない。で、そのニコール・キッドマンだけど、おいおい、いいじゃないですかあ。
キッドマンだからバットマンで有名になった? かどうかは知らないけど、かつての旦那のトム・クルーズとキューブリック師匠遺作の「アイズ・ワイド・シャット」で男性諸君を魅了する演技を演じた後、「白いカラス」や「コールド・マウンテン」、さらには、問題作といわれる(何処が問題なのか)「ドッグヴィル」などに次々に出て、真剣というか肩が凝るというか、素晴らしい女優活動をしなさっている、手の届かない人的感じになりなさったと思いきや。ほらあ、これ、ひょっとすると、彼女のキュートで愛くるしい魅力を一番彷彿とさせる作品じゃあないですか。意外とはいえないほどのはまり役ですよ。

相手役の旦那も、昔のサマンサに対するダーリン以上。ごめん、男優自身、私はよく知らないけど。でも、あれが、まさかトム・クルーズだったら、お笑いにならない、お笑いだよね。彼はムリ。
同じトムでも、トム・ハンクスなら、まだ、ありえたかなあ。そう、「ターミナル」みたいなクソ真面目でとっぽくって、他人との摩擦が引き起こす笑い、そんな感じなら。言えるのは、一本槍の旦那のトム・クルーズを完全にこの作品で引き離してしまったわね。旦那じゃない。旦那だった、だわね。

物語りも、単にリメイクじゃなくて、リメイクさせようとするテレビ界で、素人で実はほんまもんの魔女であるニコールを起用する話、映画版にするには、これ、うまくできてる。

映画の中のリメイク版サマンサは勿論、鼻ピクピクで魔法演じる。でも、ほんまもんの魔女のニコールは魔法は、耳ピクピクなのよね。あん、E・H・エリックみたいに、耳が自力で動くんとはちゃうよ。耳引っ張る。
でもね、鼻のピクピクも、ニコール、上手いわ。ありゃ、なかなかできん。ハリウッドでできる女優、あと一人くらい・・・、そうだ、思い出した。
でもね、でもね、でもばかっりだけど、思い出したから言えるけど、かつてのエリザベス様演じるサマンサ、ニコールよりも、もっと似合っている人がいるのに気がついた。なんと、それは、メグちゃん。そう、メグ・ライアン。そう、あの、ニコールとは曰く因縁の。

ほら、ニコールがジェーン・カーピオン監督を気に入って、自分から出してくれえと言って「ある貴婦人の肖像」に出たじゃない。で、次に、逆オファーで、ジェーンから「イン・ザ・カット」、ニコールに出てくれえと言ったじゃない。ところがだよ、ニコールったら、先に挙げた2003年頃の「白いカラス」などなど、あれやこれやの作品出まくりで、忙しかったのかなあ。本音はどうかなあ。結局、製作に回って、メグちゃんに譲っちゃったじゃない。結果、作品の評価は、どうなの。メグちゃん、ちょっと可哀相な評価が「イン・ザ・カット」には多かったわね。私は嫌いじゃないけど。
たぶん、あの作品で、またぞろ人肌脱いでべらんめいをニコールしちゃったら、せっかくのキューブリック師匠の遺作のイメージが落ちると思ったンと違うん? で、それ以降の作品選びに慎重になったんでしょ。こら、白状せえ。ほうら、ニコールの心情、これほど分かっている人、他にいないと思うよ。
だから、今回の「奥様は魔女」、彼女は、私と同様、「あの鼻ピクピクなら、メグが一番似合う」っての、分かってたはずじゃないのかなあ、なあんちゃって。
でも、メグちゃんに譲るよりも、自分がやりたかったのよ。このエゴイストめが。なんで、メグちゃんに譲らんかったの。私は、メグ・ライアン版「奥様は魔女」をプロデュースしたかったあ。
なあんて、私は映画プロデュースじゃないから、仕方ないわね。


でも、今回のニコールのサマンサは、結果、大正解。ニコール知りたいなら、これ見るべし。たくさんのニコールと出会えるし、さらには、あの頃のサマンサも、たくさん思い出せててくれるし、なんせ、あの頃の、いい奥さん像が、ここにいっぱい出てるよ。そんな、うん、いい作品じゃん。