らんまん、牧野富太郎、あいみょん、愛の花、神木隆之介、志尊淳、花は咲く、二―ル・ダイアモンド、ガマズミ、カリーナ、広島市、ウクライナ、大谷翔平、ボストン、レッドソックス、NHK「朝ドラ」、万葉集、音楽、歌謡曲、洋楽。

 

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音路117.あの人は花.1「草木の精」
【 愛らんまん.1 】


今回の植物:ガマズミ

 

今回から、今のNHKの連続テレビ小説(通称:朝ドラ)「らんまん」の主人公のモデルである植物学者の牧野富太郎(1862・江戸時代の文久2 ~ 1957・昭和32 / 享年96歳・満94歳)に関連した連載をスタートいたします。

富太郎は、日本の植物の新種を600種ほど発見し、2500を越える植物の命名を行ないました。
1940年(昭和15)発刊の書籍「牧野日本植物図鑑」は、さまざまなかたちで、今も販売されています。
膨大な量の標本や観察記録を残し、「日本の植物学の父」と呼ばれています。
誕生日の4月24日は、「植物学の日」となっています。

彼は、70歳台の頃に、子供時代からの生い立ちからそれまでの出来事を記した自叙伝を残しています。
植物研究で、あれだけ詳細な記録を残した彼でしたので、その自叙伝は、読んだ人に、まさに手に取るように内容が入ってきます。
実名や出来事はもちろん、その時の背景、自身の思いなども含めて、相当に詳しい自叙伝の内容です。

偉人の伝記ものは、たいてい第三者が、第三者の立場で書いたりすることが多いのですが、彼自身が、これだけ詳細な自叙伝を残してくれたおかげで、彼自身の意識や思想、その時代のさまざまな社会の一面を知ることができます。
その内容は、植物研究成果と同じで、おそらくはかなり正確で偽りのないものだろうことは、文章を読めば すぐにわかります。

富豪の家に生まれた特別な思い、周囲との人間関係やトラブル、彼のメンタリティ(精神性)などが、よく伝わってきます。
ありきたりのドラマの脚本以上に面白い展開と内容です。
これなら、すぐにでもテレビドラマにできそうな気がしますね。

* * *

私は、植物については、あまり明るくはありません。
一方、カエルを中心に昆虫に関する情報を調べることは多いのですが、その中で、頻繁に牧野富太郎の名前に遭遇します。
文献資料の中で、また彼の名に遭遇したということが多くあるのです。

昆虫と植物は、強い共存関係にあります。
時に敵対しますが、お互いを利用し合い、助け合い、支え合いながら生きています。

私は、牧野富太郎に関して あまり知らなかったのですが、この朝ドラ「らんまん」をきっかけに、彼の自叙伝を読んでから、その面白さにはまりました。
私は歴史研究も行いますが、まさか、富太郎の妻の実父が、幕末の井伊家の家臣で、明治維新後も相当に裕福な名家だったと初めて知り、土佐藩の有力御用商人の家であった牧野の実家との、不思議な縁(えにし)にたいへん驚きました。

本コラム「歴音fun」では、そんな幕末から明治維新の歴史についても、考察していきたいと思っています。
とにかく、富太郎が、自叙伝に詳しく残してくれたおかげで、幕末の人たちの様子を知ることができます。

* * *

実は、富太郎は、成功してから、高知県に帰郷した際に、高知での西洋音楽の教育の未熟さや誤りに気がつき、自身でそれを正そうと奔走します。
自身が指揮棒を手にして、演奏の指揮をしたと記述されています。
富太郎のつながりで、高知には東京から優秀な音楽教育者が招かれたようです。
まさに、高知県の西洋音楽教育は、富太郎によってもたらされたのかもしれません。

彼の植物に対する、理論的なアプローチ、ち密な分析力、教養に裏付けされた想像力は、西洋音楽の分野にも発揮されたのだろうと思います。
そんなお話しも、おいおい書いていきたいと思います。

朝ドラの内容展開に合わせながら、連載の中で少しずつ書いていきたいと思います。

* * *

彼は、妻の壽衛子(すえこ)と結婚後、仕事上の多くのライバル、社会のしがらみ、貧困などの苦労を重ねながら、植物の研究に没頭し、素晴らしい実績を残します。
富太郎自身も記していますが、苦労の中でも、助けてくれる人、支えてくれる人が、その都度 たくさん あらわれました。

彼は、「趣味」から始まり「使命」にまで至った植物学を極め、多くのものを残してくれましたね。
もちろん、その中には愛情物語もあります。

今回の連載は「愛らんまん」と題して、彼の自叙伝の記述内容をベースに、彼にまつわる日本各地の植物の話しや、彼の人生の話を書いていきたいと思います。
「歴音fun」ですので、もちろん歴史や音楽、ジョークなど、枝葉を広げながら書いていきたいと思います。

「朝ドラ」を見ている方も、そうでない方も、楽しく読んでいただけるように書いていきますので、本連載をどうぞよろしくお願いいたします。


◇笑顔で お花ポーズ!

さて、ここでまず、アメ―バブログ(アメブロ)の中で、たいへん面白い内容を見つけましたの、ご紹介したいと思います。

ブロガーのチッチさんご夫妻は、2023年5月、広島市内の ある墓苑での墓まいりからの帰路に、思い立って、広島植物公園に立ち寄ります。
2023年4月15日から6月7日まで開催していた企画展「牧野富太郎と広島」を見学するためです。

この企画展の会場には、富太郎が残した、数々の植物画のほか、彼のたくさんの言葉が、手作り感いっぱいの かわいらしい展示手法で飾られていました。
チッチさんのブログ記事の中で、その様子を見ることができます。

* * *

牧野富太郎は、自他ともに認める、楽観的で前向きな性格の人物で、その屈託のない笑顔がよく知られています。
彼の笑顔を見ると、私たちも、ついつい笑顔になってしまいます。
彼の人生において、彼を助ける、支える人物がたくさんあらわれたのは、きっと、この笑顔に惹かれたに違いありません。
おそらく富太郎は、自然の野山の中で多くの草花と出会ったときにも、このような笑顔で花々を見ていたのでしょうね。

草花たちには、見る人を笑顔にさせる、不思議なチカラがありますね。
富太郎も同じだったのかもしれません。

富太郎は、苦しい研究生活や社会のしがらみ、厳しい家計と生活など、多くの困難を、楽観的な性格と笑顔で乗り越えていったのでしょう。
根性や努力だけで、多くの困難を乗り越えるのは相当に難しいですね。
彼は、後に、「思い返せば、大したことではない」という主旨の話しをしました。
彼の人生から学べることは多い気がします。

* * *

前述の広島での企画展会場にも、富太郎が顔の両頬に手をあてる笑顔の写真が展示されていました。
チッチさんのそのブログ記事の中では、富太郎のその笑顔の写真の横で、チッチさんも同じポーズで笑顔で写真を撮られています。
富太郎に負けない、かわいらしい素晴らしい笑顔です。
このポーズ…、今年ちょっと流行るかも!

そして、チッチさんは、広島での企画展の会場で、想像もしていなかった、ある絵と遭遇します。
チッチさんは、自身のそのブログ記事の中で、このような文章で記述されています。

「まさか、この場所で、武(たけし)の樹でもあったガマズミと 出会うなんて!
夢にも思ってなかったから 胸が熱くなって、ウルウルしました」。

* * *

「ガマズミ」とは植物の名称です。
チッチさんのブログ記事の中でも掲載されていますが、そのガマズミの絵は、白い花の絵ではなく、赤い実をたくさんつけたガマズミの絵でした。

次回コラムで書きますが、東京都練馬区にある「牧野記念庭園」では、販売しているお土産商品の中に、この「ガマズミの実」の絵葉書もあったりします。
非常に精細に描かれていることは もちろんですが、絵画として、その姿や色が、何か 味わい深い印象を受ける絵です。

チッチさんが、お墓まいりの帰りに、この絵と出会えたことは、はたして 偶然だったのか…。
私は、どこかからの贈りものであったに違いないと感じます。

「歴音fun」を読んでくださっている、広島在住のチッチさんの、たくさんの花に飾られたブログです。

 


◇あの人は ガマズミ

さて、前述のチッチさんの言葉の中にあった「武(たけし)の樹でもあったガマズミ」のお話しです。

チッチさんは、20年ほど前に、当時20歳台の息子の武さんを、病気で なくされました。
ここからは、チッチさんが後に書かれた文章をそのまま記します。

* * *

2004年7月23日に息子 武が他界しました。
ほどなくして…鳥ちゃんが 実を落としてくれたのか、武の部屋の窓辺に、一本の樹が根付きました。

数年してから、5月には 白い可憐なお花が咲き、秋には紅い実がなるようになりました。
検索してみたら、この樹の正式名称は「ガマズミ」。
花言葉は、「結合・未来・愛は死よりも強し」。
私たち家族への武からのメッセージみたいに感じて、私たちは、この樹を「武の樹」と勝手に名付けて、毎年 お花が咲くのを楽しみにしています。

(略)

お隣さん宅にも ご迷惑がかからないように、いつかは伐採する事を考えなくてはいけない時が来ると覚悟はしています。
だけど…もうしばらくは「武の樹」を見ていたいチッチです。
あと何年 それが許されるのかは 今はまだわかりませんが…。
少しでも長い間、この純白のお花を咲かせてくれる「武の樹」とお別れしたくないチッチです 。

以上、一部だけですが、ご紹介させていただきました。

下記はその記事の全文(2022年5月掲載)です。

 

* * *

そして、前述しましたとおり、今年2023年5月、チッチさんご夫妻は、息子の武(たけし)さんのお墓まいりをした後に、広島植物公園での牧野富太郎展に立ち寄り、あのガマズミの赤い実の絵に出会いました。

私は、さまざまな「ご縁」を感じ、チッチさんのこのブログを、連載「愛らんまん」の冒頭で ご紹介させていただきたいと、チッチさんにお願いし、快諾を頂いたという次第です。

* * *

朝ドラ「らんまん」では、富太郎(ドラマ内では万太郎)を、すぐ近くで強力に支える「タケオ(竹雄)」(演:志尊 淳さん)という存在が登場します。
竹雄については、連載の別の回で あらためて書きますが、この「タケオ」と「タケシ」さん… 名前も容姿もよく似ています。
本当に偶然なのか…?

うさぎ年の武(たけし)さんは、四つ葉のクローバーを手に、チッチさんの目の前に、いつかきっと あらわれてくれますね!
ひょっとしたら、ガマズミの赤い実も手にして…
「樹を大切にしてくれて、ありがとう!」。

チッチさんやご家族には、この度のご厚情に深く感謝申し上げます。
そして、牧野富太郎さんにも感謝!


◇富太郎の「ガマズミ」

実は、「ガマズミ」という植物に関して、牧野富太郎は、自分なりの解説を残しています。
彼は、自筆の「植物記」の中で、万葉集を引き合いに出し、新説として書き残しています。

植物記の一部・原文

 

* * *

ここで、簡単に主要な内容のみを、簡略化して ご紹介します。

富太郎は、万葉集の一句「真鳥(まとり)住む卯名手(うなて)の神社(もり)の菅(すが)のみを、衣(きぬ)に書き付つけ服(き)せむ児(こ)もがも」に着目して解説しています。

富太郎は、前述の句の意味として、「真鳥(奈良県大和の国高市郡 金橋村 雲梯)という場所にある神社の森に生えている、その熟した実を使って着物用の布を染め、その着物を着せてあげることのできる女性が、ここに いたらなあ…、どうかどこかに、その実があって欲しい」と解釈しました。

さらに、富太郎は、この句にある「菅(すが)のみ」を、古くから現在にいたるまで、万葉学者はみな、植物の「ヤマスゲ」のことだと説明しているが、それは違うと述べています。

万葉集に登場する「ヤマスゲ(山菅)」は、「リュウノヒゲ(龍の髭)」、今の「ヤブラン」などの名称で呼ばれることもあります。
漢方の生薬に「麦門冬(ばくもんどう)」と呼ばれる、咳きや気管支に効果があるといわれる薬がありますが、これは、植物「ジャノヒゲ(蛇の髭)」の根の部分を使うそうです。
この「ジャノヒゲ」という名称の他に、「ネコダマ(猫玉)」という名称もあるようですが、なぜかは私にはわかりません。
ひょっとして、猫たちは自然の中の漢方薬を知っている?
この「ジャノヒゲ(蛇の髭)」こそ、前述の「リュウノヒゲ(龍の髭)」のことです。
今も昔も、薬の名称はややこしい…。

富太郎は、「ヤマスゲ」、「麦門冬(ばくもんどう)」の実では、布を染めることができない…、その実の藍色は、染料にはならないと言っています。
これは植物のことを知らない万葉学者の説だとも言っています。

富太郎は、この「菅のみ」の「菅(すが)」とは、スイカズラ科(忍冬科)の「ガマズミ」のことであると言っています。
「菅のみ」とは、ガマズミの赤い実のことであると結論づけています。

ただ、名称「スガノミ」と「ガマズミ」の違いについては、つきとめられなかったようですが、ガマズミの赤い実が染料に使われていたことは、つきとめたようです。
彼の植物記では、さまざまな視点での推測が行われていますので、ご興味のある方は全文をお読みください。
彼の植物学とは、まさに歴史との闘いでもあったようです。


◇赤い贈りもの

富太郎が「ガマズミ」の説明で引き合いに出した万葉集のいくつかの句の中で、今回、私がご紹介したかったものは、次の句です。

「妹(いも)が為(ため)、菅(すが)の実(み)採(とり)に行ゆきし吾(あれ)、山路に惑(まど)ひ、此(この)日(ひ)暮しつ」

富太郎は言います。
この句の「妹(いも)」とは、自身の妹、幼い童女、年配の女性たちのことだとは思えないと。
この「妹」とは、布を染める染料の実を贈ったら、さぞ喜ぶであろう年齢の女性たち…。

* * *

ここで別途、少しだけ簡単に「妹」の説明をします。
「妹」とは、もともと自身の身内の姉妹の年下の女性をさす言葉ではありません。
もともとは「いもひと(妹人)」という言葉から転じた言葉です。
「いもひと(いもと)」は、古くは、男性から見て、胴腹の姉妹だけでなく、妻や恋人などの女性に対しても使用された言葉です。
愛情や親しみをこめて呼ぶ相手に使用する言葉でした。
今の言葉で言えば「愛する女性」「最愛の女性」「かけがえのない女性」のようなことです。

富太郎は、それを知っていたと思われます。

* * *

富太郎の、この句の解釈です。
文章表現を、若干、現代語意訳します。

「着物を染める染料を、我が妻(愛しい恋人)に贈るため、山奥へ、ガマズミの実を採りに行ったのだが、山中をあちこちと さまよい歩くうちに、すっかり日が落ち、一日を山で過ごしてしまった」。

まるで、一日中、植物採集に没頭する富太郎自身の姿のように感じますね。
次回以降に、それに似た、別の信州のお花のお話しを書きます。

* * *

植物に関して、このような視点での研究や解釈というのは、富太郎以前には、なかったのかもしれません。
万葉集のことを熟知し、日本史を知り、最新の西洋の植物学も身に付けていた富太郎だからこそ、たどりついた研究成果だったのかもしれません。

いずれにしても、ガマズミの赤い実は、大切な人を喜ばすため、愛情を伝えるために、どうしても必要な植物の実ですね。

前述のチッチさんの家にやって来た「ガマズミの赤い実」は、誰がどこから届けたものなのか…。
チッチさんのご家族には、武さんの母親と父親、お姉さんがおられます。

鳥という生きものは、東洋でも、西洋でも、「幸せ」や「愛」を運ぶ象徴の生きものですね。
誰かさんであっても、鳥たちであっても、チッチさんの家に「ガマズミの赤い実」の贈りものが やって来たのは確かなことでしたね。


◇ガマズミの実

本コラムの冒頭写真が、「ガマズミ」の赤い実です。

お友だちの、翠(すい)さんに、写真をお借りしました。
翠さんには、深く感謝いたします。

 

* * *
 

 

ガマズミの白い花(開花5~6月)

 

森や里の樹木に実る、幾種類もの赤い実は、おおむね、二通りに分かれますね。
ひとつは、甘く美味しい赤い実を、昆虫、鳥、動物たちに提供するかわりに、彼らに繁殖地を広げてもらうもの。
ガマズミは、そのタイプですね。

もうひとつは、猛毒を有し、その危険性により、絶対に外部のものたちに食べられないようにするものたち。
昆虫、鳥、動物たちは、おそらく例外なく、両者を識別するチカラを持っています。

クチにしてはいけない赤い実や、食べることができるようなる時期を、彼らはしっかり知っていますね。
知らないのは、現代の人間だけなのかもしれませんね。


◇カリーナの想い

「歴音fun」ですので、ここからは、音楽のお話しです。

世界には、こんな国があります。
「ガマズミの赤い実」こそ、国の大切なシンボル!
「ガマズミ」は、国の大切な花!
国の大切な「ガマズミ」の歌!

その国こそ…、ウクライナ!

* * *

1914年(大正3)、ロシア帝国軍と戦っていた「オーストリア・ハンガリー帝国軍」の中に組織された、ウクライナ人の義勇兵組織の「ウクライナ・シーチ銃兵隊」があります。
今の状況と同じで、敵はロシアでした。

「ウクライナ・シーチ銃兵隊」への敬愛を込めて、ウクライナの詩人ステパン・チャルネツキによって歌詞が作られ、その銃兵隊の中で、ある楽曲が愛唱歌となります。

その後、1918年(大正7)、「西ウクライナ人民共和国」として独立を勝ち取ります。
この楽曲は、まさに「第二の国歌」ともいうべき存在で、今回の戦争でも、再び愛唱されるようになりました。

大切な国を、大切な人を、その赤い実を思い出しながら、歌う楽曲です。

日本では「ガマズミ」…ウクライナでは、ガマズミ属の植物「ビバーナム」に実る赤い実を「カリーナ(カリナ)」と呼びます。
「カリーナ」とは、日本では「ガマズミの赤い実」のことです。

楽曲「червона калина」
♪赤いカリーナは草原に

 

京都からウクライナに、愛を込めて…
♪赤いカリーナは草原に

 

偉大なロックバンド「ピンク・フロイド」は、2022年、ウクライナ支援のため、この楽曲をアレンジして演奏しました。
♪ヘイ・ヘイ・レイズ・アップ

 

* * *

ウクライナは、まだまだ、国の存亡がかかった危機の真っ只中にあります。
もし、西側諸国の支援がなくなってしまったら…。
再び独立を勝ちとることは、容易ではありません。

ですが、ガマズミの花と「赤いカリーナ」が、国民の心の中に咲き続けるかぎり、ウクライナ民族の勇気と誇りは消えない!
歴史が証明していますね。

ガマズミの実は、きっと、それを届けてくれるはず…。


◇スイートな キャロライン!

実は、ロシアでも、ガマズミ科の植物である「ビバーナム」の実を「カリーナ(カリナ)」と呼びます。
ロシアでも大切な花です。

ウクライナ語、ロシア語の「калина(カリーナ)」は、ラテン語表記で「kalina」、「kalyna」などと書かれるそうです。
ちなみに、「Carina」のつづりでは、星座の「竜骨座(りゅうこつざ)」、船の「竜骨船」(別英語でkeel)の意味。

* * *

カリーナ、カリナ、カロリーナ、カロライナ、キャロライン…、そしてカーネーションやローズの花たちも… まさか、つながっていたとは!
富太郎が生きていたら、このつながりは、おそらく相当に食いついた研究素材でしょうね。

「Caroline(キャロライン)」という女性名は、男性名「カール」の女性版で、「キャロル」とかの愛称で呼ばれたりします。
有名な女性歌手のキャロル・キングさんの出生名は、キャロル・ジョアン・クラインさん。
二―ル・セダカのヒット曲「オー・キャロル」は彼女のこと。
「キング」名は、おそらくあの男性たちに由来…。

この「キャロライン」は、「チャールズ」などの名称にもつながりがあります。
他言語では「カロリーナ」「カロリーヌ」などとなります。
「カロリーナ」とはバラ科の植物で…。
そんなお話しは、またあらためて…。

* * *

ここは、一曲だけ…。

下記の楽曲の「キャロライン」の場合は、米国のボストン近郊の街ブルックリン出身のジョン・F・ケネディ大統領の娘で、駐日米国大使でもあった キャロライン・ケネディさんのこと…。
ケネディ家の成功の始まりは、ボストンの街から!

実は、この楽曲を作った米国歌手の二―ル・ダイアモンドさんは、当初、この曲を二番目の妻のために作ったのですが、なんと、テレビで見たその娘のキャロラインの名に変更します。

二番目の妻とは、「離婚の慰謝料で全部持っていっちゃった」と二―ルに言わしめた方ですが、生涯、変更する必要のない女性名の楽曲タイトルに変更したことで、この楽曲は永遠のものになりましたね。
さすがダイアモンド!

二―ル・ダイアモンドさんが、楽曲名を「キャロライン」に変更していなかったら、下記に書くような現象は起きなかったでしょう。

とはいえ、二番目の妻からしたら、「どうして、私の名前じゃなかったのよ!あなた、私より成功とお金を優先したのね!」ですよね。
ミュージシャンの方々…名前入りの楽曲を作る際は、そうぞ 将来を見すえて…。

* * *

この楽曲こそ「スイート・キャロライン」!

この楽曲を使って応援する、メジャーリーグの球団は「ボストン・レッド・ソックス」…やっぱり赤!
フェンウェイ球場は、まるでガマズミの花畑!
今度、テレビ中継で見たら、ガマズミの花畑を思い出してみて!

個人的には、大谷翔平選手には、次は、東海岸のこの赤いガマズミ球団に行ってほしい!
いい結果につながるような気がします。
何か、彼には、ガマズミの赤い実が似合いそう!
その後は、ベーブと同じ道?

ガマズミの赤…、レッドソックスの赤…、ガマズミとカリーナとキャロライン…、いろいろ混ざった かわいい赤色!

二―ル・ダイアモンド
♪スイート・キャロライン

 

緑の大きな壁「グリーン・モンスター」に囲まれた、ガマズミ庭園!
2013年の「ワールドシリーズ」では、二―ル本人が登場!
♪スイート・キャロライン

 

実は実は、二―ルは、ボストン近郊の街ブルックリンではなく、まさかのニューヨークのブルックリンの出身!
東京出身の「阪神タイガース」ファンのようなもの…ちょっと違う?


◇愛の花と、草木の精

さて、ここで、やはりこの楽曲を…。

NHK公式映像

 

* * *

「あいみょん」さんの歌の歌詞を聴いていると、幅広い世代の方々の心にしっかり届くのが、よくわかりますね。
この楽曲「愛の花」もそうです。

実は、牧野富太郎は、もともと「成太郎」という漢字名でした。
朝ドラ「らんまん」の中での展開と同じように、3歳で父親を、5歳で母親を、6歳で祖父を亡くしています。
当時、世界中で大流行した恐ろしい病気「コレラ」による病死であったようです。
その後、祖母は、厄除けの意味で、成太郎の名を「富太郎」に改名し、祖母の浪子(ドラマ内ではタキ)に育てられます。

富太郎(ドラマ内では万太郎)は、愛妻の「壽衛子(すえこ / 戸籍上は壽衛〔すえ〕:ドラマ内では寿恵子)」とも、人生の半ばあたりで死に別れます。
富太郎と壽衛子の間には、13人の子供ができましたが、そのうち7人は早世(ひとりは死産)しています。
明治時代の医療環境は、まだまだ未成熟でしたので、多くの家庭が似たような状況でした。
富太郎は、多くの近親者との悲しい別れを 幾度も経験しています。

* * *

この楽曲「愛の花」の歌詞は、地上にいる誰かが、今は天上にいる人たちに向かって、言葉を投げかけているような内容です。
歌詞の中に、こんな部分があります。

♪恋こがれた人は、人は天の上…

♪空が 晴れたら
♪愛を、愛を伝えて
♪涙は明日のため
♪新しい花のタネ

♪涙は 枯れないわ
♪明日へとつながる 輪

♪言葉足らずの愛を
♪愛の花を あなたへ

まさに、富太郎(ドラマ内では万太郎)が、自身の元から、天上に旅立っていった 愛する人たちに話しかけるような内容の歌詞ですね。

私は、牧野富太郎の植物学は、学術研究という側面だけでなく、愛にあふれていると感じています。
「愛のある植物学」、「愛に包まれた植物学」…これが、牧野富太郎の植物学ではなかろうかと、私は思っています。

牧野富太郎は、自身のクチで、自身のことを「草木の精」と語りました。
…その通りだと思います。

「学者」や「研究者」ではなく、「精」です。
まじりけのない、純粋で、清らかで、優れて、秀でて…、それはまさに、精霊、妖精、木精。
彼をおいて、誰を「草木の精」と呼べるでしょうか…。

実際の彼は、歌詞のような「言葉足らず」ではなく、おそらく相当に雄弁であっただろうと思いますが、それでも、どんなに語り尽くしても、愛に対しては「言葉足らず」だと感じていたでしょうね。

富太郎が天上に向けて語りかける言葉のように感じてしまう、朝ドラ「らんまん」の主題歌です。
皆さまも、機会がありましたら、歌詞全文を ぜひ読んでみてください。

 

愛の歌手「あいみょん」さんの…

♪愛の花

 

(後日追記)

これを書いた後に、あいみょんさんが、この歌は、ドラマ内の万太郎の妻の寿恵子をイメージして、寿恵子の目線で作詞したと語られていた内容を、NHKのテレビ番組で見ました。
たしかに、この歌詞は、女性目線と口調を感じますね。
 
でも それなら、歌詞の「天の上の人」とは…?
寿恵子の亡き父親、寿恵子が敬愛する滝沢馬琴、万太郎の亡き両親、それとも ひょっとして…。
 
あいみょんさんは、お菓子屋の娘の寿恵子が万太郎を待ち続ける姿を強くイメージされたようで、歌詞の「空が晴れたら、逢いに逢いに来てほしい。涙は枯れないわ、明日へとつながる輪」の話をされていたと思います。
実際に、ドラマの中では、万太郎を待ち続ける寿恵子、しまいには、寿恵子が万太郎の元に駆けていく姿が描かれていましたね。
そうなると、この歌詞は、妻から夫への愛のメッセージになります。
 
次回以降のコラムで、実際に存在した、ドラマのモデルになったお菓子屋に、万太郎(富太郎)が ほぼ毎日通ったお話しや、この夫婦の結婚までのお話し、その後の仲睦まじい話し、寿恵子(壽衛子)が献身的に夫を支える姿の話を書きますが、いずれにしても、女性から男性へ、男性から女性へ、遺された人から亡き人へ、亡き人から遺してきた人へ、愛しい相手に愛を伝え、愛を語りかける歌詞内容であることに かわりはありません。
この歌詞には、さまざまな意味あいやメッセージが内包されているのだろうと思います。
 
私は、この歌詞の最後の「愛」と「愛の花」を届けたのは「万太郎(富太郎)」と寿恵子(壽衛子)で、届ける先である「あなた」の中には、もちろん「らんまん」を見ているテレビ視聴者のことも含まれているのだろうと感じています。
 
多くのテレビ視聴者の方々は、すでに、たくさんの「愛の花」を、「らんまん」から受け取られていますよね。

 


◇このドラマ… 神ってる!

今回の朝ドラ「らんまん」の主人公は、牧野富太郎をモデルにした人物「槙野万太郎」です。
「春らんまん」の「まん」、「天真らんまん」の「まん」… それが「万太郎」なのかもしれません。

その万太郎を演じるのは、俳優の神木隆之介(かみき りゅうのすけ)さん。
信じられないことに、この名前は本名だそうです。
私は、もう それなりに長く生きていますが、本名を「神木」という方に出会ったことはありません。

古来から神木姓は、神話の時代くらいまでさかのぼり、まさに伝説のような姓です。
実は、「牧野」の「牧」という漢字とも深いつながりがあります。

日本各地にある「御神木(ごしんぼく)」とは、古来、尊い樹木や森をさし、神さまそのものを意味しますね。

神木隆之介さんは、まさに、このドラマ「らんまん」の主人公になるために生まれてきたような気もしないではありません。
隆之介さんは、何かに守られているのかもしれませんね。

* * *

今回の朝ドラには、なんと「草木の精」と「御神木」がおられるのです。
さらに、そこに俳優の、「尊志」の志尊淳(しそん じゅん)さん(これも本名)がおられます。
まさか、こんな尊い姓の方が おられたとは…。

この朝ドラは、まさに、神ってる!
ドラマの中の樹々の木洩れ日は、まさに天からの光…。

* * *

あなたにも、あの花を見ると、あの人を思い出すということはありませんか?
あの花は、あの人…。
あの人は、あの花…。

私たちの心の中にも、あの人が…、あの花が…
♪花は咲く

 

* * *

次回の後編は、富太郎にとって、大切なあの人を思い出す、あの新種の植物のお話しを書きます。
次回以降はさらに、東京・練馬区にある「牧野記念庭園」で、私が撮影してきた写真もまじえて、その庭園と施設のことをご紹介させていただきます。

最後に…
チッチさま… おめでとうございます。

2023.6.27 天乃みそ汁

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