会津藩の斎藤一 | 新選組研究会「史誠会」

新選組研究会「史誠会」

1999年、新選組を学ぶために結成。以来、月に一度勉強会を開催し、年に数回、史跡見学会を実施してきた。勉強会は、西村兼文の『新撰組始末記』をテキストとして始まり、子母澤寛の『新選組始末記』を経て、現在は、木村幸比古の『新選組日記』をテキストとしている。

 森村誠一著『新選組剣客伝』(時代小説文庫)を読みました。

http://www.kadokawaharuki.co.jp/book/detail/detail.php?no=5321

 新選組をテーマにしたものであれば、文庫・新書はすべて買います。んで、読む際になって初めて『新選組剣客伝』というタイトルでも斎藤一だけを取り上げていることに気づきました。それも、斎藤一が会津藩に頼まれて新選組に入隊したという、これまで読んだことのない設定でしたので「おおっ!」と思ったものの、その後、会津藩と斎藤との連携がまったく見られないという小説のできとしてはおかしいのではという展開です。

 しかも、伊東甲子太郎殺害前に斎藤一は高台寺党を抜けて、さらに、刀を捨てて全国を行脚って、そんな無茶な設定はないよなあという展開に唖然。

 斎藤一が好きで彼をテーマにした本ならファンタジーでもかまわないと思っている方も多いとは思いますが、この本は読まなくてもいいと思います。もちろん、歴史好き・新選組好きの方がこの本を読んでも得るところはないといっていいかと思います。