喜怒哀楽の「楽」とは? | 小説の書き方教えます

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今回は、人物設定でとくに重要な喜怒哀楽のうち、誤解

の多い「楽」について解説いたします。




人間が真に重要な決定を下すとき、性格や経済力や社

会的な地位による判断よりも、ずっと抱えてきた喜怒哀

楽によって判断を下すのです。


これは、昨日の記事で述べましたので、後ほどご確認い

ただきたいと思います。




喜怒哀楽とは、いわば「タラレバ」なのです。


東大に合格したら、宝くじが当たれば、といったことでして

現状のことではありません。


何があれば喜ばしいのか、怒るのか、悲しいのかってこ

とですね。


たとえば、サラリーマンですと、


「喜」課長になったら嬉しい。

「怒」部下に裏切られたなら容赦しない。

「哀」定年を迎えたりリストラされれば、悲しい。


こんな感じでしょうか。これに、私生活での喜怒哀楽も加わ

りまして、この人物の全体像が浮かび上がります。




問題なのは最後の「楽」です。


ほとんどの人が勘違いをしていて、「楽しい」と解釈してい

ます。


そうではなくて、読み方そのものの「らく」です。何があった

ら「らくチン」になれるのかってことですね。


息子が大学を卒業して働きに出てくれれば家計が楽、と

いったことなのです。


楽しいと勘違いするから「喜」と重なってしまうのです。




人物と人物の喜怒哀楽同士がぶつかり合って、ドラマが

誕生します。性格のぶつかり合いではありません。


性格が正反対なのに仲良くやっているコンビは意外に多

いのです。周囲にもそういう組み合わせはいるかと思い

ます。


しかし、喜怒哀楽というのは交わることがほとんどなくて、

その人の価値観を形成している元でもありますから、妥

協できなくて事件になります。


これが、人間を描くということです。喜怒哀楽を描くことが

人間を描くこと、すなわち小説なのです。