読者と人物との距離感 | 小説の書き方教えます

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今回は、読者と人物との距離感について解説いたします。




こんにちは。いつも参考にさせていただいております。

私は元々三人称で小説を書いていました。
ところが友人数人が「いちど一人称で書いてみろ」というの

です。
三人称だと読者と登場人物の間に距離を感じる。
というのが理由だそうです。
三人称で距離感が出ないように書くにはどうしたら良いで

しょうか。


このような質問をコメントにていただきました。




三人称というのは、それぞれの人物の一人称と同じです。


もちろん、主人公を主体として描きますから、重点の配分

は違ってきますけれど、基本的にはそう考えてください。




そこで、人物との距離感なのですが、


人物との距離を感じる、という批評をいただいたのは、三

人称だからではないと思いますよ。


上記のように、各人物の一人称が集まっているのが三人

称ですので、一人称として人物を充分に描ききれていない

せいではないでしょうか。


とくに、細密な心理描写が欠けていますと、人物との間に

距離を感じてしまいます。




もうひとつの原因として考えられるのは、


そもそも魅力的な人物に設定されていない、からかもしれ

ません。


少しばかり野心を抱いていたり、他人の不幸を陰では喜ん

でいたり、なんていう人物がいませんと、ストーリーまでも

がつまらなくなってしまうのです。


善良な努力家ばかりを登場させると、読者は面白く感じる

どころか息苦しさを覚えます。


反対に、ちょいとワルな人物が紛れていたり目立つ欠点が

ありますと、共感を覚えることがあるのです。




とにかく、三人称だから距離を感じるのではなくて、一人称

そのものの描き方がまだ不完全なのでしょう。


そういう意味では、一人称で書いてみて、勉強するのも手

ではあると思います。