一人称で陥りやすい罠 | 小説の書き方教えます

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現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

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今回は、一人称小説で陥りやすい間違いについてお伝えします。




子竜は生徒さんたちに三人称で書くことをオススメしております。


なぜかといいますと、最初に一人称からスタートしますと三人称

が書けなくなってしまうからでして、その逆はずっと簡単だからです。




もちろん、一人称小説が悪いと申し上げているのではなく、三人称

よりもずっと難しいのです。


でも、ほとんどの方は一人称からスタートしてしまったがために、

三人称のほうが難しいと感じているようですね。


ならば、一人称に徹するのもいいでしょう。


ただし、一人称特有の罠にはまらないよう注意してください。




一人称特有の罠とは、


作者と主人公とを同一化してしまうこと。




いいですか。


作者と主人公とは同一ではありません。それは私小説のみでの

方法であって、小説の登場人物全員は、作者とは別の世界の

住人なのです。


ゆえに、作者の考えを主人公という代理人に語らせるのも間違い

ですし、代理人に仕立てることがそもそも論外なのです。




仮に、作者と主人公とが同一であるべきだとしましょうか。


何作品書こうとも、主人公は常に同じですよね。名前や年齢は

違っても、いつも同じ感じの主人公では、読者はあなたの作品

をひとつ読むだけでいい。何作品も読むのは無駄というものです。


さらに、殺人をしようとか銀行強盗を企む者を主人公にはでき

なくなります。作品の幅が、作者の範囲に限定されてしまうのです。




主人公を含めた登場人物の考えや言動は、その人物の置かれて

いる立場や性格や年齢などによって幅が決定します。作者と同じ

ではないのです。


つまり、作者は物語とは別の世界の住人ですので、物語の中へ

絶対に顔を出してはいけません。


どうしても顔を出したくなるのが、一人称特有の罠なのです。


この点を理解しませんと、文学賞で受賞するなんてありえません

から、注意してくださいね。