テーマとは何か | 小説の書き方教えます

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今回は、コメントにていただいた質問への回答です。




小説のテーマと作者の主義主張とは、どこが違うのか。


日頃から作者の主義主張を入れてはいけないと申し上げ

ておりますので、疑問が生じたとのことでした。




まず、作者の主義主張を入れてはダメな理由とは、小説

は最初から最後まで登場人物の視点で語られるものだ

からなのです。


つまり、主義主張は、登場人物の地位や立場や性格など

によって違うものなのですから、作者が作品を通して一貫

した主張を繰り返してはなりません。


そういうものは小説ではなく、論文になります。




次に、テーマについてですが、これにも作者個人の意見を

反映させる余地などありません。


理由は上記と同じですね。


ですので、登場人物をある思想や主義に偏らせず、反対派

の人物も登場させなくてはならないのです。


とくに一人称では偏りがちとなり、作者の代弁者としての主人公

になりがちですので、注意が必要でしょう。




テーマとは、いろんなタイプの登場人物がいて、はじめて深く

掘り下げることができます。


くれぐれも、ひとつの主義主張だけに偏ることなく、もっと深く

掘り下げてみてください。


質問では不倫を例にされておられましたが、不倫もひとつの

愛情の形とすれば、不倫反対の人ばかりじゃありません。


というより、不倫はテーマじゃなく、愛がテーマであって、不倫

は愛を描くための状況設定なのです。


おわかりいただけたでしょうか。