作品で最も大切なもの | 小説の書き方教えます

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現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

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お読みになった上で、お申し込みください。

作品の枚数もご記入願います。


文学賞突破マニュアル」をご希望の方も、タイトル

下の項目をお読みください。


今回は、選考でもっとも重視されるテーマについ

てです。




エンタメ系の作品であれば、ストーリー重視でも

かまいませんが、文学=テーマであるべきです。


あなたの作品には鮮烈なテーマが存在していま

すか。


テーマなき作品は文学とは呼べず、単なる日常

を描いたホームドラマ同然になってしまいます。




人間というものをどこまで掘り下げられるか。


人類の永遠のテーマである男女間の確執や愛憎

もしくは生と死など、どこまでクローズアップできる

かが大切なのです。


もちろん、テーマはエンタメ系にも必要なものでして

テーマが全く感じられない作品は、絶対に入選でき

ないでしょうね。


いくらストーリー重視とはいえ、テーマを軽んじては

いけませんよ。テーマこそが読者へのアピール材料

だからです。




ほとんどのプロは、どの作品でも同じテーマを扱って

います。ひとつのテーマの専門家なのですね。


ですから、あなたなりに掘り下げ可能なテーマを決め

て、書く作品ごとに深く掘り下げてゆくようにしたほうが

いいでしょう。




テーマを掘り下げる力量は、社会経験の豊富さにより

ます。だから、20歳くらいで芥川賞を受賞したとしても

次の作品を発表できないのです。


子竜は40歳のときに小説家に転向しました。ちょうど

よい年齢だったと思います。


社会経験も浅くはなく、ある程度人を見る目も養われ

た年齢でしたから、テーマを掘り下げる力がそれなり

にあったのでしょう。




宮崎駿氏は戦闘機の設計者をクローズアップしました

が、子竜はデビュー作品「不沈戦艦紀伊」にて、軍艦の

設計者を描きました。


現在、文庫本にて復刻され、書店に並んでおります。


兵器設計者の苦悩は同じで、この兵器のために誰かが

死ぬかもしれないが、造らなければもっと大勢が死ぬか

もしれないという不条理と葛藤は、人類の永遠のテーマ

である闘争の歴史ですね。


兵器がなければ戦争は起きないと断言できるのか。


いや、戦争があるから兵器が必要になるのではないか。


どちらにせよ、常にどこかで戦っている人類、いや、人間

というものの性をどこまで追求できるかが作品の優劣を

決めるのです。




あなたが真っ先にすべきことは、一生かけて追求する

テーマを決定することです。


それなくして、何作品書こうとも、労力と時間の無駄になる

ものと考えてください。