小説冒頭の切り口 | 小説の書き方教えます

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現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

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今回は、冒頭における切り口についてです。




作品の一番最初に何が書かれているのか。


たとえば、書店に並べられているあなたの書籍

を立ち読みする人がまず最初に確かめること

でしょう。


面白そうか。自分の好みに合いそうか。


などなど、購入する価格に見合うかどうかを判断

されるのです。




あなたがあくまで趣味で書きたいアマチュアだと

しても、プロ級レベルの作品を書きたいと願って

いることでしょう。


今のレベルでいいと考えていたとしても、思うように

表現できなくて困ることがあるはずなのです。




作品冒頭の切り口は、プロかアマかに関係なく、

読む人が重要な判断をするところです。


読み続けようか、とても暇なときなら読んでもいい、

正直言うと読みたくない、などの判断をするでしょ

うね。


苦労して書いた作品なのですから、嫌々読まれて

通り一遍の感想を貰うよりも、面白かった、と感動

ぎみのコメントをいただくほうがいいに決まっています。




冒頭は、必ず激しい動きのある場面にしてください。


主人公や登場人物が動き回るシーン、もしくは、人物

は動かないで周囲の建物が爆発したりなどの激しい

ところから始めましょう。


そういう場面の描写を3枚程度続けて、何があったの

かを説明するのは、その後からです。




文学作品でも同じですよ。のんびりとした風景描写から

始まる作品は退屈なのです。それが延々と続いたかと

思うと、風景とは関係のないストーリーがようやく始まる

なんて、読者を馬鹿にしているようなものですね。


文学系ではたしかに激しい動きの場面を入れにくいと

は思います。でも、工夫次第でどうにでもできます。


何年か前の北日本新聞小説大賞を受賞した作品では

いつも早起きの隣家の爺さんが、日が昇っても起きて

こなくて、おまけに、大切にしていたはずの盆栽などが

メチャメチャになっている場面から始まっていました。


何があったのだろうか、と読者を確実に作品へと釘付け

にしています。文学でもできるのです。




プロは、冒頭だけ何種類も書いて比較採用します。


プロとアマの最大の違いは文章力でも発想力でもなく、

やはり読者というものを意識して、常にレベルアップを

図っているところでしょう。


ちょっとした意識の改革だけで、あなたにもプロレベル

の作品は書けます。絶対に書けますよ。