あらすじなのか小説なのか 2 | 小説の書き方教えます

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現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

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今回は、いただいたコメント質問への回答です。




80枚の作品を3場面のみにすると、各場面で書く

ことがなくなるのでは?


ひとつの場面が長すぎるように感じる、という観点

からの質問でした。


長すぎて、書くことがなくなってしまうというご心配は

もっともなのですが、それについてお答えしましょう。




まず、80枚という量ですが、中篇に属するだろうと

思います。


が、長すぎて書くことがないのであれば、80枚こそ

長すぎるのであって、50枚にまとめるべきなのです。


脱あらすじとは、ダラダラと伸ばすことではありません。


省きがちだった人物・風景・心理の描写など、必要不

可欠なものを入れようという話です。




しかしながら、80枚を3場面にすると、ひと場面が20

枚以上とはなりますが、長すぎるとは思いません。


長すぎると思うのはあくまでも作者側の都合であって、

読者にすれば、盛り上がりの場面など、もっと長く楽し

みたいと思っているものなのです。


書くことがなくなると感じるのは、内容が薄いということ

でもあります。


上記の描写に加えて、主人公から脇役への視点転換

などもしますと、むしろ足りないほどかもしれないのです。




たとえば、テレビが点いているリビングでくつろぐ夫が

いるとしましょう。


夫視線で書きますと、のんびりとした幸せ感をやや感じ

させる記述や、室内の風景描写のみになってしまうで

しょう。


でも、かたわらのキッチンで洗い物をしている妻に視点

を移した途端にドラマはいくらでも生じます。


夫への不満が限界に来ていること。家出してやろうとい

う計画を今夜こそ実行しようという決意など、例は悪い

ですが、書くことがなくなるなどという事態はありえない

のです。




中長編になりますと、主人公の単一視点だけでは書け

ませんし、書いてもダラダラとした感じになってしまいます。


視点の移動を利用して、面白い作品に仕上げてください。