テーマと題材は日常的がいい 2 | 小説の書き方教えます

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現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

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今回は、コメントでいただいた質問に回答します。




何回か前に、テーマと題材は日常から拾うほうが

読者に馴染みますよとお伝えしました。


すると、平凡なストーリーしか描けないのではない

かというコメントがあったのです。


しかも、そういうふうに書いた作品が出版社から

平凡との指摘を受けたようでするので、誤解の

芽は摘み取っておきましょう。




テーマとは、小説の中身そのものを表すものでは

ありません。


「恋愛」というテーマですとすぐに恋愛小説と結び

付けたくなりますが、ハードボイルドであったとして

も、戦う目的が愛する人のためであるなら、テーマ

としてはマッチしているのです。


平凡なストーリーになってしまうのは、「恋愛」を

恋愛小説の中で描いたからでしょうね。


それこそ、ありきたりな男女の物語になってしまい

ます。ノーベル文学賞を受賞した作家が書いても

確実にそうなるでしょう。




テーマは日常のものでよいのです。


恋愛・老人介護・嫁姑問題などなど、身近にいく

らでもある題材をテーマにしましょう。


しかし、描く場面は平凡にならないよう、派手に

いきたいのです。


たとえば、老父の介護をするために働けなくなっ

た女性が、万引きの常習となり、ついには強盗

も働いてしまう、など。


あるいは、振り込め詐欺に手を染めるとか、面白

くする工夫はいくらでもあります。




ただし、テーマが老人介護なのでしたら、派手な

アクション場面の対比としての介護の場面も手を

抜いてはいけません。


両極をちゃんと描いてこそ、犯罪に手を出す女性

にも読者が共感してくれるのです。


そして、そこまで追い込まれた主人公だからこそ、

読者も一緒に、老人介護とは何か、とあらためて

考えてくれることでしょう。