上達をさまたげている諸要因 | 小説の書き方教えます

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現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

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今回は、上達を妨げている諸要因についてです。




何作品書いてもあまり変わり映えがしない、上達

したという実感がない、となると、根本的な問題を

見つめなおす必要があるでしょうね。


根本的な問題とは、テーマの切り口やそれを描く

姿勢のことです。


いかに素晴らしいテーマを掲げようとも、姿勢が

伴わなければ正しく描けませんし正しく伝わらない

でしょう。




作者に求められる姿勢とは、真摯な態度です。


売名的や野心的な気持ちで小説と向かい合うと

作品の中には必ず顔を出してしまうものなのです。


いくら巧妙に隠そうとしても、見る人が見ればわかっ

てしまいます。




テーマを鮮やかに料理するには、普段からそのテー

マと真剣に向き合い、うんざりするほど自問自答を

繰り返した上で、切り口を見つけ出すしかありません。


仮に、家族愛をテーマに据えたとしましょう。


ずっと寝たきりの親は、子供にとって負担ではありま

すが、かといって早く死んで欲しくはないのです。


しかし一方で、経済的な負担ばかりではなく、縁談や

就職にも影響してくるので、時として親が邪魔になる。


ここで、親とは何か、子とは何か、生きるとはどういう

ことなのかと、永遠とも思える問答を繰り返した人だけ

が読者の共感を呼び起こす作品が書けるのです。




最近、20代前半の人の作品を読む機会が何度もあ

りました。


はっきり言わせていただきますと、友情も恋人への

愛も、軽く扱いすぎですね。


そんな程度のものを友情と表現し、愛と表現している

といった感じなのです。


本当に愛しているなら、片時も離れたくはないでしょう。

本当の友人なら、いかなる理由があろうとも、死なせ

たくはないはずです。


なのに、まるで第三者であるかのような冷静な主人公

には、違和感以外に感じることはありません。




子竜としては、本職の作家になるのは40歳を過ぎて

からでいいと考えています。


それくらいの人生経験を積まないと書けない部分が

あるからです。いいえ、本当のところがわからない

部分があるのです。


58歳になった今ですら、わかっていない部分がある

ほどですので、プロになりたい人は焦らないほうが

いいでしょう。


なので、若いうちはエンターテインメントに徹して、

文学は加齢に沿って磨いていくほうがいいでしょう。


ともあれ、テーマをうまく料理するには、普段からの

生活姿勢こそ大切だとお伝えしておきます。