彼と彼女の話 | 小説の書き方教えます

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現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

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今回は、彼と彼女についてです。




昔、英語を初めて習ったとき、heとsheを彼と彼女

だと教わりました。


ふむふむ、恋人のことを英語ではそう言うのか。


そう思ったのも一瞬のだけのことで、あの男性あの女性

という意味だと知ってガッカリ。




小説を書くようになってからは、彼と彼女はさらなる害悪

だと知るに至りました。


こういう代名詞での表現は、読者の誤読を誘うのです。


「彼がそう言ったのよ。可笑しいでしょう」


こんな会話文があったなら、誰でも恋人が言ったのだと

思ってしまいますよね。


あるいは、男性が複数登場する作品の場合、どの男性が

言ったのか明確ではありませんから、誤読される恐れが

生じるのです。




作者にとってもっとも怖いのは、読者に誤読されることです。


作者の意図とは違った意味に受け取られますと、文学賞

んて絶対に無理でしょう。審査員が間違った意味に読んで

しまうのですからね。




こういう問題は、代名詞など使わずに登場人物の実名を

書けば済む話なのです。絶対に誤読される心配はありま

せん。


とくに若い作者に代名詞の多用が目立ちますので、気を

つけてください。英語の使用が日常化している世代だから

こそ、本来日本語にない意味を持ち込んではなりません。


彼と彼女は恋人の意味。


それ以外にはありませんので、誤読を避けるためにも

別の意味では使わないようにしましょう。