お金がもらえる作品 | 小説の書き方教えます

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現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

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今回は、お金がもらえる作品とお金が必要な作品

についてです。




電子出版のことを特集したときにも申しましたが、

電子出版が文学賞で認められなかった人への

受け皿になってしまったなら終焉です。


魅力的な作品がありそうもないところへ、アクセス

する人自体がいなくなるでしょう。


また、出版社からの商業出版を諦めて、自費出版

に走る人もおられますが、黒字になった例はほとん

どなく、最終的にはタダで配ることになります。




では、出版費用がいらず印税が入ってくる商業出版

される作品は、何が違うのでしょうか。


何の違いで、文学賞の当落が決まるのでしょうか。




もちろん、最低限の文章力は必要です。最低限とい

うのは、違う意味に誤読されないだけの文章力です。


その上で、アマチュアの方の大いなる欠点を指摘し

ておきましょう。ほとんどの作品に共通している欠点

です。




それは。。。


読者への配慮が決定的に足りないことです。


何度も何度も申し上げているのですが、共通した欠点

として、読者配慮の欠如が挙げられますね。


とくに作品の序盤ですが、読者が得ている情報はまだ

少ないのに、作者が主人公の行動の選択肢を断定して

しまう傾向にあるのです。




たとえば、就活中の主人公のもとへ、2社から採用通知

が届いたとしましょう。


A社は上場会社で名前だけなら誰でも知っている会社

です。


しかし、主人公が無名のB社に就職してしまうと、読者

は、あれっ、と思いますよね。




作者というものは物語の中の住人ではありませんが、

登場人物の全員をいきなり幸せにもできるし、不幸に

もできる神様なのです。


突然に殺すことだってできますし、これから起きる未来

のこともすべてわかっています。


ですが、神様ゆえに勇み足をしてしまうのです。




この例の場合、主人公をA社ではなくB社に就職させない

と今後の展開に都合が悪いので、何かと理由を付けて、

A社の採用に辞退させてしまうのです。


英会話ができないので、世界的に有名なA社は自信がない。


こうなると、大きな矛盾が生じていることに気づくでしょう。


そもそも、英会話に自信のない主人公が、なぜA社の採用

試験を受けたのだろうか、と。




こういう設定ミスは、すべて読者不在の精神から生まれた

ものです。最初から読者へ、主人公は英会話が苦手、と

いう情報を出しておけば、A社を受験させるというミスは

防げたでしょうね。


あなたも読者という立場でもあるのですからわかると思い

ますが、読者はなるべく早い時期にすべての情報を欲し

がります。


そして、得た情報と言動との矛盾を嫌います。


万一矛盾が生じているなら、読者目線で書いていなかった

証拠ですね。


その場合の修正は容易ではなく、1から書き直したほう

が早いほどですので、くれぐれも読者不在なひとり善がり

にならないようにしてください。