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今回は、無駄な記述についてです。
いきなり、悪い例文を提示します。
庭の花壇にコスモスが花を咲かせた。まるで歌う
ようにそよ風に揺られている。暖かな日差しが秋
の終わりを名残惜しむかのように、庭全体を照ら
していた。
明子は、夫の出張帰りを待ちながら、冬用のセー
ターを編んでいる。
もちろん、夫のために編み始めたのだが、近頃
では夫とは別の男性に贈ろうかと思いはじめて
いる。
以上が悪い例文なのですが、小説の書き出しとして
アマチュアの方が陥る悪いクセを出してみました。
何が悪いのかわかるでしょうか?
そうです、前半の庭の描写が不要なのです。
でも、なぜか風景の描写から始めたがる人が多く、
そういう作品が反乱しています。
後にコスモスが重要な意味を持つのならいいの
ですが、二度と登場しないとすれば、作品の中で
は不要の部分になってしまいます。
こういう無駄な記述がありますと、文学賞での入選
は難しいでしょうね。
以前に書いた記事を思い出してください。
書き出しは大胆に。エンディングは爽やかに。
これが、読者が求めている読後の後味なのです。
あなたも常が読者であるなら、意味はわかるはず
ですよね。
この例題が書き出しであるとすれば、大胆さなど
微塵も感じられません。
無駄な記述から入っているので、完全にアウトです。
これも以前に述べましたが、プロは50枚のところを
60枚書いて、10枚分を削ろうと考えます。
しかし、アマチュアの方は、40枚までやっと書き上げ
て、足りない10枚分に何を書こうかと悩んだ挙句、
こういう不要な記述を各所に挟みます。
なぜ文学賞にいつも蹴られるのか、わかっていただ
けたでしょうか。