文学賞をぶっ飛ばした男 | 小説の書き方教えます

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現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

※お待たせしました。タイトル下の5つのコンテンツが

ご利用いただけるようになりました。



当ブログは小説の書き方について述べている

ものですが、小説を書く人も書かない人にも、

か参考になればと考えております。


今回は、珍しく子竜のデビュー物語です。




文学賞への応募をしようかと考えている人は

間違いなく期待と不安を抱えているだろうと

思います。


そんな方への参考として、こんな実話もある

のだと勇気付けてあげましょう。


決して自慢話じゃありません。




子竜が小説を書くようになったのは、あくまで

も趣味の範囲でした。


ところが、書店で歴史関連の雑誌を立ち読み

していたら、「原稿募集」という欄があったのです。


ちょうど書き終えたばかりの作品があり、応募

規定にもピッタリでした。




ダメ元で応募してみようと原稿を送ったところ、

すぐに電話がありました。


「この度は、当出版社の文学賞に応募いただき

ましてありがとうございます」


とても丁寧な感じでした。後でわかったのですが

その方は重役さんなのです。


「さすがに、大手出版社は違うな。応募者みんな

に電話をするなんて」


ところが、その考えは、まったく違っていました。




「あなたの原稿を編集部一同が拝見しましたところ、

ベストセラー間違いなしとの結論に至りました」


「えっ、よく呑み込めないのですが。。。」


「つきましては、今すぐにでも出版したいと存じます。

出版の意思はございますか」


何のことかわかるまでに、何度も聞き返したと思い

ます。


つまり、文学賞の選考をぶっ飛ばして、いきなり

出版してしまおうというものです。


「は、はい。ぜひお願いします」


そのときの声の震えは、今思い出しても笑ってし

まいますね。




世の中に幾多の文学賞があろうとも、ぶっ飛ば

してしまったのは子竜だけではないでしょうか。


もちろん、審査員の先生方はいい顔しませんので

選考の対象から外されまして、賞金100万円は

夢のかなたへ。。。


でも、編集者さんたちのメガネどおり、いきなり

17万部以上売れました。


当時、直木賞を受賞した小池真理子氏の「恋」

よりも、売り上げベストテンの上位に付けました。




子竜が今回言いたいことは、読者にとって良い作品

を書けば、選考なんて恐れる必要がないこと。


審査員にとって良い作品、ではありませんよ。

間違えないでくださいね。