理想は追求しないほうがいい | 小説の書き方教えます

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現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます  KEI SHIRYU 

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当ブログは小説の書き方について述べている

ものですが、小説を書く人も書かない人にも、

か参考になればと考えております。


今回は、登場人物についてです。




生身の人間と同様に、主人公に多くを求めて

はいけません。


ともすれば主人公に人間の理想像を求めがち

になりますが、主人公をリアルな存在としたい

なら、生身の人間と同じに扱わなくてはいけま

せん。


アレもコレも、すべてを完璧にできる人などい

ないのです。




小説の中の世界は現実とは違いますが、同時

平行して進行している別次元世界と考えますと、

わかりやすいでしょうか。


作者であるあなたは、その世界の神様です。


あるとき突然に主人公を殺してしまうことも、都合

よく事を運ばせるのも、あなたの自由です。


しかし、この世でも神様がいつも干渉して来ない

ように、あなたも干渉し過ぎてはいけません。


登場人物には登場人物なりの人生があるのです。




現実の世界において、あなたが80歳の老人と

出会ったとき、その老人は最初から80歳だった

わけではないことをちゃんと考えられるでしょうか。


いきなり80歳だったわけはありませんよね。


赤ん坊の頃や、学校へ通っていたり、恋をした

こともあったのです。




登場人物を80歳の老人と設定したとき、そういう

部分を忘れてはなりません。


たとえ作品の中に若い頃のことなど出てこなくても

登場人物の年表くらいは作成してほしいのです。


それが、小説世界で生きている生身の人間になる

絶対条件なのですよ。