推理小説で一番大切なことは、フェアな作品か
どうかです。読書の際にそういう視点から読んで
いただきますと、作者の実力が見えてくるでしょう。
フェアとは、フェアプレーのことで、正々堂々
の精神ですね。
ところが、推理小説ではしばしば守られない
こともあるようです。
たとえば、真犯人が単行本の最後の20ページ
ほどから初めて登場したらどうでしょうか。
名前が出てくるのも初めてだとしたら……。
そんな作品が堂々と書店に並んでいたりします。
真犯人も凶器も、なるべく早く登場させないと
読者に対してフェアではありませんよね。
できれば、犯行の前じゃないといけません。
推理小説を書く際の最大の注意としては、
偶然による解決を用いないこと
必要最低限の情報を読者に事前に開示しておくこと
に尽きます。
要は、読者という存在は大切なものとして
常に意識することが一番だということですね。