思考力ブログ✏️ 子育てへの城山八訓「八、たくさんの 感謝に気づける生き方をします。」 | 城山みどり幼稚園のブログ

思考力ブログ✏️ 子育てへの城山八訓「八、たくさんの 感謝に気づける生き方をします。」

こんにちは。
 
今回のブログは、
思考力クラス担当講師の藤田和彦がお届けします。
 
 
「思考力ブログ」を通して、シリーズ化してお届けしてまいりました、
子育てのための「城山八訓」。
 
今回は、その最終回、
「八、たくさんの 感謝に気づける生き方をします。」
について書いていきます。
 
 
「感謝」というのは、
「ありがたい」と思う気持ちや、その気持ちを表現することを指します。
 
「ありがたい」が、
「有り難い」、つまり、「そうで有ることが難しい」という意味からきているということは、
聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
 
そして、「有り難い」の反対が「当たり前」であることも。
 
 
 
身の回りの、何かの出来事や、
誰かからしてもらったことに対して、
「ありがたい」と、感謝の気持ちを感じることを、
他人に強制することはできません。
 
「私が、これだけしてあげてるんだから、感謝ぐらいしなさいよね。」
と言うのは、いわば「感謝」の押し売りです。
「感謝」を求めてする行為は、利他的な行為だとは言えません。
 
 
感謝の気持ちというものは、自分の心の中から湧き上がってくるものであり、
ものごとの「ありがたさ」に気づけなければ、感謝の気持ちは生まれません。
 
城山八訓の言葉は、すべてが、省略された主語「私(たち)は」から始まる言葉です。
感謝を他者から強制されるのではなく、日常の中から感謝を探していく態度を、自ら表明することに、城山八訓の「意義」があるようにも思います。
 
 
では、身の回りの「ありがたい」に気づくには、どうすれば良いでしょうか。
 
 
今回のブログでは、
たくさんの感謝に気づけるようになるための、いくつかの方法の中から、
すぐに実践できることと、
年月をかけて身につけていけること、
を、それぞれひとつずつ、ご紹介します。
 
 
 
まずは、ひとつ目の、
すぐに実践できることについてです。
 
非常にシンプルな、ひとつ目の方法は、
 
「ありがとう」を言う
 
という方法です。
 
 
 
「感謝」に気づくことを難しくする原因のひとつが、
 
「ありがとう」のハードルを上げてしまう、ということです。
 
 
「感謝」という言葉に、
それこそ、「涙を流しながらするもの」といったようなイメージを持っている。
 
あるいは、「ありがとう」ということで、それこそ、
「自分の価値が下がる」
というような感覚を持っていると、
 
日常的に、「ありがとう」を言うことは難しいでしょう。
 
 
 
「ありがとう」「ありがとうございます」と言うことは、
その場で言えば3秒もかからず、
しかもお金もかかりません。
 
 
「ありがとう」を出し惜しみしたところで、
数少ない「ありがとう」が(受け手にとって)希少価値となることもなければ、
 
たくさん「ありがとう」を言うことで、
「ありがとう」の価値が下がることもありません。
 
 
お金と違って、
その総量を増やしたところで、相対的に価値が下がらないのが、
「ありがとう」の面白いところです。
 
 
「ありがとう」の総量を増やす。

これは、
発語ができるようになっている2歳のお子さまから、
すぐにでも、実践することができることです。
 
 
 
 
「ありがとう」を、
「おはよう」や「おやすみ」と同じ感覚で使うことを、
ご家庭の中でも、実践してみましょう。
 
(むしろ、「おはよう」や「おやすみ」は1日1回ですが、「ありがとう」は無制限です。そう考えると、「おはよう」よりも、「ありがとう」の方が、ハードルは低いと言えます。)
 
 
 
子どもは、自分が聞いた言葉を使って会話やコミュニケーションをとります。
 
「ありがとう」を、わが子の「母語」にしていきましょう。
 
 
 
「ありがとう」の使いどころが増えるとしたら、
たくさんの(大小さまざまの)感謝に気づけている、ということにもなるからです。
 
しかも、感謝の気持ちは、
「ただ感じる」だけではなく、
「(言葉にして)伝える」ことが重要です。
 
そういう意味では、
「ありがとう」を言う、というやり方は、
感謝に気づいた「その先」までを考えても、
理想的な方法ではないかと思えます。
 
 
 
 
もうひとつの
「感謝」に気づくための方法。
 
それは、
人生の中で、
「大変なこと」や「骨が折れること」「手間のかかること」を、進んで実践していくことではないか、と思っています。
 
 
なぜならば、
さまざまなことの「大変さ」を、自ら経験することで初めて、
そのことの「ありがたさ」を、リアルに実感することができるからです。
 
 
仕事をすることの大変さを知っているからこそ、
仕事をしていただくことに対する感謝の念を感じられるようになります。
 
子育ての大変さを知ることで、
両親への感謝の気持ちが、より深いところで更新されます。
 
 
身の回りで、誰かにしていただくことが、
「当たり前」のことではなく、
程度の多少こそあれ、何かと骨が折れたり大変だったりする。
 
このことに、容易に想像力がおよぶようになるのは、
自身が実際に似たような経験をしていればこそです。
 
 
 
「大変なこと」は、望んで経験したいとは思えないかもしれません。
(少なくとも私は、「できればしんどいのは嫌だなあ」と思ってしまいます。)
 
ですが、人生の駒を進めていく以上、
「大変なこと」は避けられません。
 
ところが、その「大変なこと」ひとつひとつが、
実は、「たくさんの感謝に気づける生き方」に繋がっているのです。
 
 
城山八訓の教えを、自分の生き方に深く取り入れれば、
逃げようとしたところで追いかけてくる、さまざまな「大変なこと」を、
むしろ自分から迎えにいこうとする「理由」が、ひとつ増えるのではないでしょうか。
 
これは、表現を変えれば
「人生でチャレンジする姿勢」
とも言えます。
その姿勢は、「自己成長・自己実現」や「他者への貢献」に向けた「王道」とも言うべき姿勢かもしれません。
 
 
 
「子育てのための城山八訓」というテーマで、
「城山八訓」のひとつひとつを取り上げて、シリーズ化してブログ記事を書いてまいりました。
 

城山八訓には、
人生における「厳しい局面」や「不遇な時代」すらも、
前向きな気持ちで乗り越えていくための「エネルギーの源」が込められている。
 
あらためて「城山八訓」を味わうことで、
少なくとも私は、そう感じました。
 
 
ブログをお読みいただいた皆様が、
「城山八訓」と向き合う機会を持ったことで、
ひとつでも、子育てに対する前向きな気づきやヒントを得ていただけていれば嬉しいです。
 
 
これで、シリーズとしての「子育てのための城山八訓」は、いったん完結します。
 
ですが、人生における学びに終わりはありません。
「人生に必要なことのすべて」が詰まっている城山八訓についても、新たな気づきを得られることがあるはずです。
 
機会があれば、また、皆様と一緒に、
城山八訓からの学びを共有できたら、と思っております。