今週鉢増しした鉢へコガネムシ幼虫対策ネットを施しました。
ブルーベリーで病害虫の被害といえば、まずコガネムシ幼虫の根の食害があります。
コガネムシ成虫の発生時期は6月頃からですが、5月中旬までに新規に鉢植えや鉢増しした苗の対策をやろうと思います。
コガネムシ ドウガネブイブイ
コガネムシについてのおさらいです。
1、コガネムシとは
(1)成虫の背中が硬い甲虫の仲間で、野菜、果樹、庭木、草花など広範囲の植物を食害します。
(2)主な種類には、ドウガネブイブイ、ナガチャコガネ、アカビロードコガネ、ヒメコガネ、マメコガネなど。
(3)被害を多く受ける樹木として、 サクラ、カキ、クリ、クヌギ、バラ、アジサイ、カリン、ブドウ、スモモ、リンゴなどがあり、ブルーベリーの近くにあると要注意です。シャラや椿にもいます。
成虫は灯りに集まるため、街灯などが近くにある所も危ない。
2、コガネムシの生態
(1)成虫の発生時期は6月頃から9月頃までと長いが、盛期は7〜8月です。昼間は植物の葉や花などを盛んに食害する。
(2)夜行性で日没直後の約 1~2 時間に限って地上20~30cm 程度を飛び回る。飛び回る成虫のほとんどが雄で、雌は雄のように移動はせず、地表面や下枝、雑草にとまっていて雄と交尾する。
(3)交尾した雌は土中に潜って地下10cm 程度の深さに1粒ずつ産卵する。雌1匹当たりの産卵数は平均35粒程度。10~15日でふ化する。ドウガネブイブイでは、6月下旬からふ化幼虫が現れ、8月~9月に食害が急速に進行する。
(4)ふ化幼虫は最初土壌中の堆肥など腐食質を食べ、成長すると苗木などの根、主に細根を食害する。この食害により、苗木の黄化、成長不良などの被害が現れはじめる。いくら水をやっても葉が木についたまま枯れ、木をゆするとぐらぐらし、黒土の表土がふかふかした感じになると、コガネムシの幼虫がいる可能性大。鉢植えの場合は、速やかに植替えてコガネムシの有無を確認する。
(5)幼虫は10月中旬頃までは地表から5cmまでの浅いところに生息し秋に地温が14~17 ℃(11月頃)になると、地中深く(20cm位)移動して越冬し、春に地温が10~12℃になると地近くへ移動して再び苗木などの根を食害した後、5月頃地下10~20cm程度の深さで踊化し、成虫になる。
幼虫の害は、9~10月の秋加害と、越冬幼虫による4~5月の春加害の、年2回の加害時期が考えられる。
3、一般的な防除の方法
(1)成虫は庭木では自分ら植木屋はスミチオンをつかうが、ブルーベリーでは捕殺が一般的。
成虫は動きが鈍い早朝などに、樹木にいるものでは枝を揺すると落ちてくるので処分する。
(2)コガネムシ幼虫には、大関ナーセリーHPではブルーベリーに使える農薬としてダイアジノンを推薦している。
(3)コガネムシ幼虫がいた或いはいる恐れがある場合、バケツに水をはり、地下部を漬けてコガネムシ幼虫を溺死させる方法もあります(東京農工大学 荻原勲著 ”家庭でできるおいしいブルーベリー栽培12か月” )。
(4)最近ブルーベリー園で取り入れられているのが、8mm目合い以下の防鳥、防虫兼用ネットを使う方法です。イラガ等にも効果があります。
使う場合は透光率がいい物を使う。防風ネットは透光率が悪い。
ブルーベリーは日光が重要で、同一樹でも日光がよく当たる枝の果実は日陰の枝の果実に比べ早期に成熟し風味も良い(福田俊、玉田孝人著 ”よくわかるブルーベリー栽培” )。
ハチを通さないので受粉が終わる5月中旬から9月末まで使用。
マルハナバチを受粉に使う場合は、ネット内で効率よく使えます。
(5)成虫の産卵行動からみると、地表面の露出度が高い苗畑ほど飛来しやすい傾向がみられるので、マルチは重要。
コガネムシ幼虫対策ですが、鉢にネットをかけます。
ネットをしても被害を受ける場合があります。
結構な数の鉢植えがありますが、2023年4月から2024年3月のシーズンは1鉢やられました。
前年度2022年4月から2023年3月のシーズンは被害はゼロでした。
ネットを使う方法は、真島康雄著 "完全オーガニックバラ栽培" を参考にしました。
コガネムシ幼虫の食害はバラの鉢植えでも大きな問題となっています。
真島康雄 "完全オーガニックバラ栽培"
この本では鉢植えの防虫ネットによる対策が写真付きで大きく掲載されています。
1、ネットはゴミ置き場用を使用。
2、鉢の土の部分全体を覆うようにネットをかぶせ、釣り鐘型のピンで固定。
3、ネットと土は密着させないでふんわりとセットがポイント。密着していると穴から産卵される恐れあり。
ネットはダイソーの防風ネットを使います。
鉢より大きめに四角にカットし、幹の根元の位置も考慮しネットに切り込みを入れる。
針金を8cmくらいに切りU字型にしたヘアピン杭でネットをとめる。
針金はダイソーの1.2mm径のものを使っています。
ネットと用土を密着させないのがポイントです。
用土の上に直接ネットでは、網目からコガネムシが産卵する恐れがある。
厚めの針葉樹樹皮マルチは有効ですが、ネットなしでは完全ではありません。
幼苗ポリポット苗ではコガネムシ幼虫の被害にあったことがありません。
鉢底までの深さがなく、コガネムシ幼虫の越冬にはよくない為かと推測しています。
地植えも被害にあったことがないです。
鉢植えにネットをかけてみます。
用土の上に針葉樹樹皮を敷く
ネットを敷く
株元のネットをヘアピン杭でしっかりさして固定
ネットの切り込んだ箇所が合わさる鉢の縁も固定
風で飛ばないよう重りも兼ね再度針葉樹樹皮を敷いて完了