今年最初の剪定をしました。
咲きはじめたサザンハイブッシュです。
3年目までの幼苗は花芽を全て落とし、養分を成長の為に使ってもらいます。
落とした花と花芽
ノーザンハイブッシュです。
こんな枯れかかったサッカーを時々見ますね。
若い樹に多いんですが、秋になっても成長を続け寒さにやられたんですね。
この枝はカットです。
1月に入り、ブルーベリーの本格的な剪定を始めます。
2年ぶりに「ブルーベリーの基礎知識 剪定」の投稿2本を加筆修正しました。
枝の名称ですが、ワシントン州立大学ブルーベリー講座のイラストがわかりやすいので使わせてもらいます。
地面から出ている主軸枝をCaneケイン、ケインから出ている枝をBranchブランチ、ブランチから出ている先端の枝をShootシュートと呼びます。
ちなみに英語で芽はBudsバッズと言います。
成木の剪定は枝の更新がポイントです。
1回目はケインの更新の話です。
庭木の手入れも同じですが、剪定の場合効率を考えて元の太い枝(今回はケイン)から切っていきます。枝先を切ってからケインを切ると二度手間になります。
ケインは一般的に古い(7年以上)ものは切り、若いケインに更新していきます。
地際から切る場合と、地表近くで古いブランチを切って若いブランチに更新する場合があります。
結果ケインは6年目までの枝ということになり、本数も6本から12本位がいいと言われています。
イメージ的には、毎年1、2本古いケインを切り、若いケインに切り替えていくということでしょうか。
古いケインから若いケインへの更新は、ブルーベリーのサイズを小さくすることにもつながります。
ラビットアイはケイン候補となるサッカーが毎年多数はえてきますがノーザンハイブッシュは少ない傾向があり、樹によって臨機応変に対応しています。
小池洋男著「ブルーベリーの作業便利帳」では、
成木の剪定は、主軸枝(ケイン)の更新や古い枝の間引きが重点となる。
ハイブッシュでは枝齢が4年、ラビットアイでは6、7年を過ぎると生産力は低下するので、これ以上古くなった枝や、太さが2.5cm以上になった枝、それまで切りきれずに残って4cmにも太くなってしまった枝などを優先的にせん徐し、主軸枝を新しい元気な若い枝に変える。
福田俊著「よくわかるブルーベリー栽培」では、
主軸枝(ケイン)は8から10本とする。それ以上では主軸枝間に競合が起こり生産性が劣る。
5年以上経った主軸枝や発生後4、5年経過した旧枝(ブランチ)は更新する。
古い主軸枝や旧枝から発生する新梢は、細くて弱く、着生花芽数が少なく、果実が小さくなるからである。
事例の紹介です。
アメリカの大学のブルーベリー剪定講座がYouTubeにアップされていますが、古いケインを切って若いケインに更新する映像が多数出てきます。
(1)ノースカロライナ州立大学のブルーベリー剪定講座
古いケインを切る
(2)メイン州立大学のブルーベリー剪定講座
古いケインを地際からせん徐するとのコメント
6年以上古いケインはなくすとのコメント
(3)ケンタッキー州立大学のブルーベリー剪定講座
古いケインを切る
身近な事例です。
(4)全国的に有名なブルーベリー園ベリーコテージ
東京都青梅市にある関塚直子さんの農園です。
古いケインを切っているご主人の関塚さん
せん徐したケイン
(5)フクベリーの育成者 福田俊さんの農園
古く太いケインをせん徐
古いケインを切る
この投稿で紹介した剪定講座のサイトです。
ネット上には独自のやり方を配信している方も散見されます。
以下は、ブルーベリーの本場アメリカの大学の投稿ですので安心してご紹介できます。
同じようなことを言っていることが多いんですが、それは標準的な剪定方法の証ということなんでしょうね。
英語ですので、YouTubeの自動翻訳機能(いまひとつですが)なども使ってご覧ください。
ノースカロライナ州立大学
全米屈指のブルーベリー研究機関で、育成品種はパウダーブルー、オニール、エチョータ、ニューハノーバー、オンズロー、コロンバスなど多数。
https://www.youtube.com/watch?v=E_fglEl9mVo
メイン州立大学
https://www.youtube.com/watch?v=fm6ZfpGy5oQ&t=10s
ケンタッキー州立大学
https://www.youtube.com/watch?v=a_GQI7ROac0