ここ数日東京地方は梅雨に戻ったような空模様ですが、夏の時期ブルーベリーには、こまめな水やりが必要です。
水やりが特に必要な時期は、関東では梅雨明け後の雨量が少なく気温が高い7月中旬~8月下旬ごろです。
ブルーベリーの鉢植えは毎日、地植えは2、3日毎にやります。
うどん粉病対策で、葉にも水をかけます。
詳細は こちら をご覧ください。
庭木もそうですがこの時期、日中は水滴がレンズの役目をして葉ヤケをおこす可能性もあり、水やりは早朝か夕方に行います。
日本ブルーベリー協会会長の江澤貞雄さんは、著書「ブルーベリーをつくりこなす」のなかで、マルチを十分することで、灌水をいっさいやらない ど根性栽培 を提唱されています。
江澤さんのブルーベリー園は山の中にあるので水やりは難しいでしょうし、 ど根性栽培 があっているのかもしれませんね。
エザワフルーツランド
自分は、ブルーベリーは水やりが必要と思っています。
ブルーベリーは乾燥に弱いんですね。
ブルーベリーの根は、主根、側根の区別がない、繊維根(ひげ根)です。
しかも通常はついている土壌中の水分や養分を効率よく吸収するための器官、根毛がありません。その為、他の植物に比べ水分や養分の吸収力が弱い。
中学理科教科書より 主根、側根、ひげ根、根毛
根域(根群)は狭く、多くが地表下30~50cmに分布と浅いことも乾燥に弱い一因です。
一般的に根群が浅いノーザンハイブッシュは、ラビットアイに比べより乾燥に弱いと言われています。サザンハイブッシュは、ラビットアイほどではないが、フロリダに自生する遺伝的特性により乾燥への強さを備えている。
とは言っても、系統により違いはありますが、ブルーベリーは全体的に他の植物より乾燥に弱いです。
鉢植えなどで水が不足すると新梢の先端が垂れてきます。すぐ水をやると回復しますが、そのまま数日おくと枯れてきますので注意が必要です。
水不足が続くと、新梢の伸び、果実の成長、成熟にも影響しますし、梅雨明け後は花芽分化の時期でもあり、翌年の開花、結実にも影響します。
急速な乾燥は、土壌中の肥料濃度を高めて根を傷める恐れもあります。
植物にとって水は大事です。
植物は葉の葉緑体で、光があたると光合成を行います。光合成で、地中から道管で吸い上げた水と、葉裏の気孔から取り込んだ空気中の二酸化炭素を使い、養分(デンプン)と酸素を作ります。
養分は師管を通じて植物の隅々に運ばれますが、その際水は栄養分を溶解させ移動を容易にしています。
葉から水分を蒸散し、体温調節も行っています。7月中旬~8月下旬は気温も高く蒸散量も多いです。
フクベリーの福田さん、日本ブルーベリー協会副会長だった玉田孝人さんの共著「よくわかるブルーベリー栽培」の水についての記述を紹介します。
ブルーベリーの重量割合で、枝で70%、葉が90%以上、果実の85%が水分です。すべての生理機能は、水分ストレス(水分欠乏の状態)の影響を受けることを意味します。
水分不足は、生理的には葉からの蒸散作用を減退させ、葉の光合成活動を制限し、呼吸作用を抑制します。
形態的には、短期的な水分不足では、葉の萎れ、成長点の枯死、果実の萎縮などとして現れます。
このため樹の生育と果実の収量に大きな影響を与えます。
一方でブルーベリーは水やりは大事ですが、水はけがよい環境も求められます。
ブルーベリーの権威のおひとり東京農工大学荻原教授の著書「家庭でできる おいしいブルーベリー栽培12か月」によると、
ブルーベリーの根には根毛がなく、他の植物に比べ水分や養分の吸収力が弱い。
他の植物と同様、ブルーベリーの根には菌根菌が寄生して、土壌と根をつなぎ、水分や養分を吸収する仕組みを持っています。
菌根菌が活動しやすい適度な湿気と乾燥がないと根の活動も悪くなってしまいます。
(2)根の成長には乾湿のメリハリが必要
実験してみると水をやって土壌が水分を含み、その後一時的に水分がなくなると根が伸長します。反対に土壌中に水分がなくなった後に水をやると根が伸長していきます。
つまり水はけのよい土壌でこまめに水やりをして、乾湿のメリハリがつかないと、根は成長しない。
一方で乾燥が続く、あるいは水はけが悪いという条件が続くと、根の成長に重大な影響を与えます。例えば土壌中に水分が多くなりすぎてしまうと根が褐変し、根の機能が阻害されます。
こうなってしまうと樹全体の葉もしおれ、葉色は薄くなります。