S課長、ボンクラ部下(バカオヤジ)と、とんでもなく跳ねっ返りな武勇伝を作る部下(誰?!笑)を抱え、絶賛お悩み中です。
さらに、プライベートも。
2人の女の子パパなのですが、この春、高校を卒業した長女ちゃんが、いわゆるフリーター。
バイト生活で、そのバイトよりもこのコロナ禍で、推しの全国追っかけの日々。
会社でプライベートなお話をよくオープンにするのですが、最近は次女ちゃんの話ばかりで、旧課長が「長女ちゃんは(どうしてる)?」と聞くと、「アイツは知らん!」
次女ちゃんだけを溺愛に走っている空気感…。
女の子2人+男の子1人のパパ、旧課長が、後から私にこっそり、「S家、あれはまずいと思う。ああ言ってるのが会社だけでならまだいいけどよ、なるたけ平等にしてあげないと、長女ちゃんグレるぞ。」
もちろん子供の個々の性格もあるけれど、子供達にはとにかく差をつけないように気をつけて育ててきたんだよねぇと。(お子さんは全員、社会人)
育児の途中、不平等にして失敗した経験があったのかもしれませんし、先輩パパとしては気になるんでしょうね。
夏「性別違うからはどうしても発生しがちですが、確かに同性ならなおさら、平等は大切ですよね。いいだけ甘やかした結末じゃないですか。」
旧「甘やかすんなら、最後の最後まで責任持って、徹底して甘やかし続けろってな。途中放棄だからさぁ。」
ごもっとも。
これまでの経緯を聞く限り、長女ちゃんは、
・高校受験時に、将来なりたい職業を決めていて、そこに向かうための高校を選んだ(私立)
・高校でお勉強に挫折
・卒業後の進学先として自分で選んだ専門学校を、合格したのに入学をドタキャン
・実家を出て、親族も知人もいない北海道外へ行くと言い出す(親に対しての表向きで、実は彼氏がその土地にいるかもしれません)
・でも定職には就いていない
S家、奥様も高学歴な職業ですし、教育熱心なんです。次女ちゃんは中学から私立。
※北海道の場合、一般的には中学も高校も公立です。学力ハイレベルの学校もありますし、裕福で教育熱心なお家でも、公立がスタンダード。私立に行くのは、公立不合格だったか、親が医者・士業・社長・大手企業幹部の子です。
長女ちゃんはこの子ね。
私はこの時、お勉強に集中させるために、他のことは削ぎ落としていく教育方針のご家庭なんだなと思っていたんですよ。
ほら、塾を優先するのに、学校の夏休みの宿題を代行業者に頼むような。
手芸なんて、できる必要もやる必要もなしって判断なんだなぁって。
S課長も、なにかにつけて「人生一度きりだから」と、随分お嬢様2人を甘やかしていたのは、今までの話から察しがつきます。
あれもこれもとサポートしてきたのに、長女ちゃんが挫折して、親の意向からはずれてしまったことがショックだったんでしょうか。
甘やかされて育った長女ちゃんも気の毒です。
今の状況を聞いている限り、やるべきことからただ逃げていて、親もそれを容認ですから。
転ぶ前に、親があれこれ先回りして手出しし過ぎていたから、立ち上がり方をきっと知らない。
お嬢様達、社会に出て、親の手助けを受けられなくなった時に、すごく大変だろうなぁと見ていましたが。
私は、同じように挫折して、見捨てられた子の立場です。
挫折前から男女差がある、健康状態のハンデがあるとはいえ、親は弟だけを溺愛してますから。
今、S課長を目の当たりにして、親にこういう思い(まぁ、勝手で一方的な親の過剰な期待ですが)をさせていたんだなぁと、ちょっと耳が痛かったり苦笑。
無駄になったお金も使わせたなぁ。
どうしていいかわからなくなっている、長女ちゃんの気持ちも少し理解できます。
兄弟に差をつけた扱いが、子供が50歳近くなっても大きな影響を及ぼすことも、身をもって知っています。旧課長、いいとこついてくるなぁって。
私は、どうやって生きてきたんだっけ?
S家の長女ちゃんと同じく、中学生で薬剤師になるって決めて、高校の数学をきっかけになし崩しに勉強挫折。
これはなんの言い訳にもならない、するつもりはありませんが、家庭が一番荒れていた時期でした。家庭への反抗が、自分にマイナスにしかならない手段を選んでしまった愚かさもあります。
一生背負い続けていく、底辺の原因を自ら作り出した後悔の十字架です。
これは手放すべき執着で、今と、少し先の自分がしっかりと自立して生きていればいいんですけどね。
昔読んだ小説で、今もずっと心に残っているシーンがあります。
30代半ばの主人公が、夫から子供を作ることを拒絶され(夫は不倫中)、離婚を視野に入れ、専業主婦から外で働こうとするんです。
「どんな仕事にしようかな?」と言った時、別の登場人物がこう返しました。
「『やりたい』仕事じゃなく、『自分ができる』仕事を選ぶべきじゃないかな。選択権はあなたにはないよ。」
手持ちのカードで勝負しろと。
私も、今さらあえてカード増やす必要ない。
私が長女ちゃんと違ったのは、薬剤師になれないなら何になろう?って、投げやりな生活のわりに考えたことくらいでしょうか。
勉強ができなくたって、卒業後は働くしかないってわかってましたから。
多方面男尊女卑なのに、「女の子だから(正社員で)働かなくていいわよ。」は通用しない家庭でした。
そこに変な甘やかしがなかったのは、感謝しておいていいでしょうね。
その時に見つけた目標が、『うんと仕事のできるOLさんになろう』だったんですよね。
まさか32年後の自分が、SEもどき事務員になってるなんて知りませんでしたが笑。
『うんと仕事のできる』はさておき、毎日全力で事務員してるよ~、とりあえず夢は叶ったっぽいよ~とは、32年前に向かって叫んでおきたい。
(調剤助手もしたから、薬剤師の夢も、責任のない″もどき″で叶えてはいるんです)
実家も嫌だったから、家を出ると決めたのも、自分ひとりの判断。幸せな家庭の友達に話したってわかるわけないし、彼氏も頼りないから相談なんてしませんでした。家族にも内緒。全員に、直前報告。
そのために、短大時代は単位ギリギリで学校に行き、バイト。長期休みは全て短期バイトと掛け持ち。
出ると決めた以上、余計な問題は起こしたくなかったのと、案外私真面目なので、
・成績はトップをキープ
もう、『いかに学校に行かずして、高成績を残すか』のゲーム感覚!
底辺短大だったので、トップなんて努力不要、楽勝でした。
・夏太郎家のルール、『お酒を提供するお店、水商売はNG』は厳守
スレスレ水商売的な、パーティーコンパニオンバイトって、高時給だったんですけどね。あれは外見のいい子がやるもんだし、バイト先も得体が知れなくて怖いなって。
健全バイトで、コツコツ貯金しました。
食器屋・ケーキ屋・蕎麦屋・神社の巫女・制服屋(春休み)。
家を出るのに一番必要な『定職』を得るのに、就活はそりゃがんばりましたよ。すでに就職氷河期、13社目でようやく決まったのが11月。バイト先で私だけが最後まで決まらなくて、店長やバイト仲間をヒヤヒヤさせてました。
さぁ、S課長、というかS家はどうなるんでしょ?
しっかり長女ちゃんと向き合って、フラフラ生活を脱出させるのか。
長女ちゃんもですが、親も向き合うことから逃げてますから。(奥様、何してるんでしょ?夫婦で放置なんだろうな。)
これってたぶん、育児の最終戦ですよね?
長女ちゃん、このままだと将来は私みたいな底辺になるぞ。
こういう話を耳にすると、子供は持たなくて正解だったなぁと思います。
ちょっとした間違いが、人ひとりの人生を狂わせちゃうんですもの。