しろくまです。ʕ•ᴥ•ʔ

 

私がエビを食べてしまったことは、まだ覚えているだろうか。

そんな事を思いながらも少しずつ距離は縮まっているような気がしている。

 

前回のお話です↓

 

 

市街地に出て、暫く走っているとのどかな景色が顔を出し始める。

 

田舎育ちの私でも、いや田舎育ちだからこそなのだろうか。

そんな景色を見るのが好きだ。

 

Kくんの実家も田舎らしく、見慣れているはずだけど、やっぱりこういう景色が好きだという。

 

 

一面に広がっていた田んぼを尻目に、山の上を目指す。

 

山頂に到着し、まるで明治神宮のような門構えの鳥居をくぐる。

 

山独特の冷気か、神聖なる霊気なのか、一気に体温が下がるのが分かった。

そこから話をしながら更に山を登っていく。

 

 

暫くするとKくんの口数が減り、呼吸が小刻みになっているのに気付いた。

 

 

私「少し休みながら行こうね。」

 

K「うん、ありがとう。」

 

 

そんなやり取りしながら、休み休み登ることにした。

山道からは湧き水が流れていて、見ているだけで涼しい。

 

また登り始めて、Kくんの背中を後ろから押そうとすると凄い汗に気付いた。

 

 

私「凄い汗かいてるじゃん!ここで引き返そうか?」

 

K「ううん、汗はいつもだから大丈夫!行こう行こう!」

 

私「本当に大丈夫??しんどかったらいつでも引き返そうね。」

 

 

Kくんは元々ラグビーをやっていたので、体力はかなりあるはずなのだが、汗がしんどいみたいだった。

 

 

呼吸を整えながらKくんが私に話しかける。

 

 

 

K「…ごめんね」

 

私「え?どうしてよ?」

 

K「足手まといになっちゃったから…」

 

 

 

 

 

なんだこの可愛い生き物は…!!お願い

 

 

でも、Kくんの「ごめんね」がチクっとした。

 

違うの違うの!

むしろ私がごめん!!!!

 

 

 

引き返そうというも、Kくんは応じない。

多分、迷惑をかけてしまっていると思っているんだろう。

 

 

 

そんな事ないんよ。

一緒に話せて、一緒にきれいな景色を見れているだけで俺は楽しいんよ。

でも、臆病だからその言葉を伝えることが出来なかった。

 

 

目的地までなんとか到着して、少し休んだ。

御朱印が貰えるみたいだったが、時間的に難しそうで引き返すことにした。

 

 

 

帰り道、中年女性が救急車で運ばれていた。

高山病だろうか…

それを目の当たりにして、Kくんに申し訳なくなった…

 

 

山の夕方はすぐ暗くなる。

駐車場に着くと、当たりは真っ暗だった。

 

 

Kくんは今日は大前提として観光が目的で来ている。

ホテルには1人で泊まる予定で来ている。

 

 

一先ずKくんがホテルにチェックインするために、市内に戻ることにした。

 

 

 

 

つづく。