しろくまです。

 

Uが職場内だけではなく、お客さんにも手を出している事が発覚。

もう私ではどうすることも出来る気がしないので、上司に報告することにしたのです。

 

前回のお話です↓

 

 

 

Sさんから聞いた、その中でも確実な内容をすぐさま上司に報告。

 

上司は思い当たる節があるようで冷静に話を聞いてくれていたが、一通り私の話を聞いた後に斜め上を行く回答をしてくれた。

 

 

上「Uくんの件だけど、俺も詳しくはわからないけど裁判沙汰になるみたいよ?」

 

私「え…っと、誰とですか?」

 

上「Uくんの奥さん。」

 

 

ふむ?

 

どうやらお客さんとの関係が奥さんにバレて、奥さんから離婚を前提とした慰謝料を請求されているらしい。

 

 

しかし不倫相手はUが既婚者ということは知らされておらず、三角関係は泥沼化しているらしい。

 

 

会社としては不倫を理由に解雇は出来ないが、お客さんに手を出したという事が本社まで知れ渡り、色々と複雑なことになっているらしかった。

 

 

上「色々と大変だったね。けれどUくんもAさんも良い大人なんだから、今回はしろくまくんは関与しなくて大丈夫だよ。

ただ、もしできるのであれば今回の件で迷惑を被った方のフォローをお願いね。」

 

 

フォロー…

誰に何をできるのだろうか。

 

 

ただ、いたずらにこの事を口外することはやめた方が良いだろう。

Sさんと上司からの情報を共有し、一先ず他言は無用という考えで一致。

 

 

ただ、UとAさんとの関係は先に述べた女性2人にはまだバレていない事が更に恐ろしい。

 

 

S「…これは言うべきか悩んだんですが、一応今後のシフトに影響が出るかもしれないので報告しますね。」

 

 

Sさん自身言うこと自体憚れるといった物言いで放つ言葉を、私は身構えて聞く。

 

 

 

S「Aさん、ご懐妊されていますね。」

 

 

それは、どちらかは望んだ結果だったのだろうか…

 

私はSさんに言葉を返す気力が無くなってしまっていた。

 

生命の誕生はとても素晴らしいこと。

 

しかし、誰かは望まないであろう生命のこれからを、責任を負えない愚かな大人がどう対応するのだろうか。

 

 

胃液が喉元まで上がり、口の中が少し酸っぱくなった。

 

 

以前父が、妊娠中にトキソプラズマに感染していることが発覚した姉に、何の慈悲もない言葉で堕ろせ!と怒鳴りつけた光景がフラッシュバックしていた。

 

 

身内の話は、今回の話に全く関係が無いことなのだけれど、私はもうUの話を聞くこと自体に、全細胞が拒否していることを感じた。

 

 

「あたしの全存在をかけてあんたを否定してあげる。」

バトルロワイヤルの好きなセリフ、こんなにしっくりくることもあるのだな。

 

 

 

その後、Uは会社の不平不満を周りに愚痴り回り、まもなく退職した。

後から聞いた話では、業務中に抜け出しパチンコを打っていたこともあったらしい。

 

こいつとUは面識こそないが、もしかしたら気があったかもしれない↓

 

 

 

 

人生には色々な人と出会う機会がある。

 

良い影響を与えてくれる人、反面教師としての教えを与えてくれる人、この先の人生も関わっていきたい人、そうでない人。

 

私はUからどんな教訓を得たのだろうか。

未だにそれはわからないけれど、属していたコミュニティを去る時、誰からも惜しまれず去るような生き方はしたくないと思えたことは学びだったのかもしれない。

 

 

 

来月は前職の後輩が結婚する。

 

苦楽を共にした当時のメンバーで集まって祝える事は、とても嬉しい事なのだと心から思うばかりだ。

 

 

おしまい。