こんばんは、しろくまです。

 

前回の続きです↓

 

 

※この話は、ある人の愛人になりかけたお話です。

 

 

「何故あなたの彼氏に私を紹介するんですか?」

 

私はわかっているよ、Hさんの気持ちも、これからどうしたいのかも。

あなたは良い、帰る場所があるのだから。

 

その時、私はどこに帰れば良い?

 

 

H「Jとはお互いに、その時に良く思っている相手を紹介し合っているんだ」

 

うん、そうなんだろう。

それはわかる。

お互いにとっての決め事だし、当人同士での筋の通し方だよね。

 

 

H「Jとは色んな意味でパートナーなんだ。

生活も、仕事も。家族だから、そういう事はもう何年もないんだ。

だから全部をオープンにしている。」

 

 

それはわかったんだよ。

 

じゃあさ、私は何になるんだい?

 

私は、あなたの何者なんだい?

 

 

私は悲しくもあり、怒りも湧いてきた。

多分、悲しいが勝っている。

だから冷静でいられて良かった。

 

Hさんの優しい口調が、真綿のように私を締め付ける。

優しくて甘い毒のようだ。

 

私「そうなんですね」

 

その一言を言うのがやっとだった。

ゆっくりと自分の酒を飲み干して、適当な理由を付けてお店から出た。

 

感情は出さないよう、いつも以上に動きをゆっくりにして、

Jさんにもまた飲みましょうと挨拶して。

お金をHさんに渡して、何も言わず出てきた。

 

 

Hさんはお店の外まで追いかけてきた。

Hさんの顔を見つけると、私は感情が昂ぶってくるのを抑える。

 

 

やめろ、全部言葉にしたら止まらなくなるから。

 

 

冷静な自分がまだいて良かった。

 

ちゃんと話をしよう。

汚い言葉で罵りたくない、でもHさんを刺すような鋭利な言葉を探す。

 

 

私「Jさんとの関係はわかりました。

じゃあ私とHさんは、何ていう関係?」

 

 

Hさんは悪い人じゃない、人情もあり、友人も多い。

私にも優しくしてくれた。

 

けれど、こういう関係で出会うべきじゃなかったのだな。

 

 

Hさんは黙っていたが、私は続ける。

 

私「もし私から会いたいって言ったら、Hさんはいつでも会ってくれますか?」

 

H「それは難しいかもしれない、一番はJだから…」

 

 

優しい残酷な嘘より、潔い言葉で良かった。

何より誘導したのは私だ。

 

別にHさんが悪いことをしているとも思わないし、彼氏であるJさんを

私に紹介するということは、Hさんにとっての筋の通し方なのだろう。

 

ただ、当時の私にはまだそれは受けいれることが難しい提案だった。

 

 

私「今日はありがとうございました。帰ります。」

 

 

もうきっと会うことはないから、またねは言えない。

こんな時こそ、私は嘘がつけない。

まだまだ私は子供だ。

 

それから年月が流れて、私も40歳手前になった。

当時のHさんの年齢まではいかないが、今ならHさんの気持ちも少しわかる。

 

 

Hさんには、私はどんな風に映っていたのだろうか。

 

 

光陰矢の如し、Hさんがご存命かわからない。

もう当時の事は話せることはないのだろうと思う反面、

もう少し相手の年齢を考慮しなさいよと、説教したい気持ちもある。

 

いつか私もたどり着けるのだろうか。

それぞれが思う幸せの形に。

 

この歳でも、まだまだわからないことばかりなのである。

 

 

 

おしまい。

 

 

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