こんばんは、しろくまです。
今回は少し下ネタが入りますのでご注意を!
前回の続きです↓
「椅子に座るだけで1時間10,000円を即時お支払いします。」
そのバイトも残り5分。
私は早く終わって欲しい反面、どこかでもっと続けてみたいという気持ちでもあった。
そして、この方を開放してあげたいとさえ思っていた。
何から?
それは言葉にしようとしても、わからない。
そもそも、この行為の名前さえもわからないのだけれども。
私は唾を吐きかける、望まれた通りに荒々しく。
そして少し乱暴足の指を口の中へと突っ込むのだった。
その方は少し切なそうな声と共に大きく身震いをして、果てた。
1時間10,000円のアルバイトは、終了の時間となった。
私は残っていた缶酎ハイを飲み干し、カウンターの下に潜り込み、屈んだ。
顔を見て話して良いのか分からなかったので、一先ず持っていたタオルでその方の顔や体を拭いた。
「ありがとうございました。」
そう言われ、初めてちゃんとその方の顔をまじまじと見た。
うん、男前だと思う。
普通に、いやかなりモテるのではないだろうか?
だから色々不思議なのだ。
でもだからこそ、なのかもしれないとも思う。
その方から、少し話をしてくれた。
有名私大を卒業して、大手の会社に務めていること。
そこではずっと上司にパワハラされていること。
同棲している彼氏がいること。
彼氏にはこの性癖については話したことはないし、これからも話す気はないこと。
そしてこの1時間で、なんと3回もイッていたということ。
昔、SM嬢の仕事を少しやっていた友だちが言っていた。
友「SMのMのお客さんは、お硬い仕事の人が割りと多いかも。
医者とか、弁護士とか、警察官とか。有名な漫画家さんとかもいたね。」
私「医者とか弁護士はわかるけど、漫画家さんってお硬いかなぁ」
友「漫画家さんに関しては、毎週毎週締切に追われたりする緊張感が続くじゃん?それが抑圧されてストレスになるから開放したいんじゃないかなぁ」
なるほどな、とその時私は妙に納得してしまった。
抑圧されると開放したくなる。
そりゃそうだ、子供だってだめだと言われ続けたら、いつか違う所で爆発してしまうだろう。
爆発した時に、周りは口を揃えて言う。
「そんなことするような子には見えなかった」
そりゃそうだ。
良い子を演じているからだ。
怒られないように、人に迷惑を掛けないように良い子でいる。
そして掛けられた抑圧は全く違う方向で露出するから、なんで?と周りは思うかもしれないが、当たり前なのだ。
コップの水は上から注がれるが、溢れるのは縁からなのだ。
力関係の方向性は、一方的なんかじゃない。
この人は射精はしたものの、快楽よりも精神的な開放を望んでいたのではないだろうか。
大切な彼氏には、こんな事は頼めないのだろう。
受け入れて貰えなかった時の代償の方が遥かに大きい、私にも容易に想像がついた。
そして、今回お金が発生して良かったのだとも思った。
金銭が発生したことで、『仕事』としてこの人にその対価を、プロではないがサービスを提供できたのだから。
名前も知らない人と、名前の分からない行為をした_
性的な興奮と、精神的な興奮はまた違うのだと思った。
ただのフェチかもしれないが、ある意味お互いを信用できないと成り立たない行為なのではないかとさえ思った。
暗闇の先の光を探しているような感覚。
優しく手と繋いで、探せるまで必ず手を絶対離さないよ、と。
知識や見聞より、体験した感覚は全然違った。
背徳に思えるような行為かもしれないが、それでさえ人は救われる。
その人は凄く私に感謝をしてくれた。
お金も多目に出そうとしてくれたが、受け取らなかった。
私は私で、その人が自分をさらけ出して気持ちよくなってくれた事が少なからずも嬉しかった。
そして、自分を開放できる術を知っているその人を少し羨ましくも思うのだった。
私は未だに心から自分を開放した事がないのかもしれないな。
開いたら閉じられなくなる扉を、開く勇気がないのだろう。
そもそも、その扉がどこにあるかさえわかってはいないのだけれど。
皆さんは、禁断の扉を開けたことはありますか?
おしまい。
※今年のG.W.はかなり混雑しそうですよね。
事前の予約もお早めに!レジャー系のアイテムも必須になるかも\(^o^)/
