こんばんは、しろくまです。
※前回の続きです↓
「椅子に座るだけで1時間10,000円を即時お支払いします。」
その言葉を信じ、おずおずと言われるがまま発展場まで来てしまった。
そしてそのお相手はカウンターの椅子の下で、仰向けで寝ている。
よくよく考えたら凄い状況だな。
これは人に言えることなのだろうか。
人に認められる為に生きているわけでもないから、別にいいか。
私はパンツ一枚の格好で椅子に座り、その方は全裸で仰向けに寝ている。
椅子に座る私の足を、その方が触れる。
私からはよく見えないが、私の足を見定めているようだった。
優しく足をまさぐるっている。
そしておもむろに、私の足の裏に舌を這わせた。
うひゃぁ!
と声が出そうになるが、私は平然を装いながらカウンターの酒を飲むふりをして、くすぐったさを我慢する。
その方はじっくり私の足に舌を這わせたあと、足の指、親指から小指までを一本一本口に含み、丁寧にねぶった。
人の口の中は暖かいものなんだな。
最初は正直気持ち悪かったのだが、慣れてくると意外と気持ち良いものだ。
そして遂には、こんな事でお金を貰って良いのかとさえ思ってしまう。
「顔を踏んでください」
その方が小声でお願いしてくる。
その方の唾液でまみれた私の足、それで顔を踏むことにはかなり抵抗があったが、お時給が発生しているので仕事として割り切ることにした。
「もっと強く踏んでください!」
「私をそこから見下してください!」
「もっと上手になめろ!と命令してください!」
要求はどんどんエスカレートしていく。
最初こそぎこちなく戸惑っていた私だったが、どんどん相手の求める事がわかるようになり、それに応えようと奮闘する。
その方の息遣いがどんどん荒くなり、健康的に焼けている筋肉質の肌は、じんわりと汗ばんでいる。
熱気を感じる。
頭と体で興奮している_
その人の興奮が私にも伝わってくる。
「そこから私の顔に向かって、唾を吐いてください!」
うーん、と一度ブレーキがかかるが、ここまで来たら出来る限り頑張りましょうとと心に決め、口の中に唾を溜め、その方の顔目掛けて吐いてみるが、これがなかなか難しい。
何度か試して、やっと顔に当てられた時にはもはや充実感さえあった。
その方の望むシチュエーションとは、会社のオラオラ系の上司に、机の下で誰にも見られずにいたぶられたい、みたいなことなのだと私は察知した。
自分がSなのかMなのかさえわからなかったが、Sとして振る舞うのも悪くないなと、何かが開花されてしまったのはきっとこの時からだろう。
私「こっちの指もふやけるまで舐めろよっ!」
心の葛藤はあるが、私もコツを掴んできた。
初めてのことで、背徳感がすごくあったのだが、でもそれで快楽を得ている人がいる。
快楽…快楽でもあるのだろうが、何となく心の開放とも感じ取れた。
コレは性行為なのだろうか。
私たちはキスはもとより、お互いの性器にすら触れていない。
勿論挿入もない。
これはSMに近いものなのだろうか、ふとそんな事を思いながら時計に目をやると、アルバイトの時間はあと5分となっていた_
※次回でおしまいです。
つづく。
※花粉症の対策はお済みでしょうか?
辛い時期ですが、即効性があるものは助かりますよね。