1995年のお話。

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地下鉄サリン事件のドラマを見て、1995年は阪神淡路大震災の2ヶ月後にこんな大きな事件があって、本当に大変だったなと思い出してました。

とはいえ、臨床獣医になって1、2年目だったしろくまにとってはまだまだわからないことだらけでてんてこ舞いでしたが、

今回のドラマに出てきた有機リン系中毒の解毒薬のPAMは代診時代の病院の注射薬のアンプルが置かれている棚の目立つところにマジックで大きな文字でPAMと書かれていました。

約30年ほど前の当時はピンホールと呼ばれてた瞳が縮んだ状態で小刻みに震えたわんちゃんがよく運ばれてきてて

その様子を見た先輩獣医さんから『有機リン系の中毒やな!農薬を食べてないか確認して!』と言われて飼い主さんに確認をすると

当時は農家の方が多かったので『納屋の農薬を食べたかも!』ということで

アトロピンかPAMを取ってきて!と言われて取りに行っていた遠い記憶(*´Д`*)

それだけにサリン事件のニュースを見ながらも縮瞳してるんなら有機リン系?とか思いつつも、当時はニュースが錯綜していたので違うのかー、とか思ったりしていたような気がするなあと思っていたら本当に一旦違う情報が流れたのが原因だったのねえとか思ったり。

違う情報に惑わされずに患者さんの症状からPAMを選択されたお医者さんもすごいし、

テレビからの情報だけで全国からPAMにかき集められたスズケンさんもすごい!と思いました。

特にスズケンさんが東京にPAMを集めてくれてなかったら助けられなかった命ももっとあったんじゃないかと思いました。


それにしても、当時はしろくまだけでもかなりの数の有機リン系中毒のわんちゃんに出会って治療をしたような記憶がありますが、

最近はほとんど出会わないなあと思うと、2007年にEUで有機リン系の農薬の使用が禁止されたようで、

その後日本ではまだ使用されているもののかなり減っているんだとか。


それでもなんだか様子がおかしなわんちゃんに出会うと

思わず縮瞳がないかを確認してしまうほどに有機リン系中毒って記憶に残ってるんだなあと思うしろくまでした。

まあ、最近は縮瞳よりも眼振に出会うことが多いよね、と思ったり(`・∀・´)


1995年はいろんなことを学んだ一年だったのねえと振り返ってみるしろくまでした。