昨日、梅芸で「アルジェの男」を観てきました! | 白い風のブログ

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主に宝塚中心の観劇日記です。
その他に読書感想も載せてますが、最近は令和になって始めた御朱印日記が増えたかも!?(笑)

最近は全く友会で当たらなくなった宝塚の全ツ公演。
久し振りに観てきました!(笑)

まずは主な配役から。
(この作品は何回も再演されているけど私が観たのは2011年月組のみだからそことの比較です)

ジュリアン・クレール<成功への野望を抱く青年>・・・礼真琴(霧矢大夢)
サビーヌ<ダンサー。ジュリアンを愛する娘>・・・音波みのり(蒼乃夕妃)
ジャック<ジュリアンの昔仲間>・・・愛月ひかる(龍真咲)

ボランジュ総督<アルジェリア総督>・・・朝水りょう(越乃リュウ)
ルイーズ・ボランジュ<総督夫人>・・・白妙なつ(花瀬みずか)
エリザベート<総督の一人娘>・・・桜庭舞(彩星りおん)
ミッシェル<ボランジェ氏の秘書官>・・・紫藤りゅう(青樹泉)

マリア・シャルドンヌ<公爵夫人。社交界の貴婦人>・・・万里柚美(*邦なつき)
アナ・ベル<シャンドンヌ夫人の姪。盲目の少女>・・・小桜ほのか(花陽みら)
アンドレ<アナベルの付き人>・・・極美慎(なし)
*アンリ・クローデル<元下士官。アナベルの付き人>・・・無(明日海りお)

ミシリュー内相<総督の政敵>・・・大輝真琴(星条海斗)
マダム・マルト<下町クラブの女主人>・・・夢妃杏瑠(妃鳳こころ)
アルマン<秘書官仲間>・・・希沙薫(珠城りょう)
フランソワーズ<エリザベートの友人>・・・無(愛希れいか)

このお芝居は柴田先生の作で、2011年も今回も大野先生が演出をされてます。
柴田先生曰く「優れた資質をもった一青年の生と恋と死を描こうとした」とか。
孤児として愛を知らずに育ったジュリアンを愛した3人の娘(サビーヌ・エリザベート・アナベル)との愛と死・・・。
結構重い作品なんだよね。
他の男たちもそれぞれ野望を持っていてそれ故に周りの人間を巻き込んでいくしね。
また三人三様にジュリアンを愛した女性が哀しいね。
今の時代にはちょっと向いてない作品のようにも思えるけど私は嫌いじゃないな。

ジュリアンがアルジェ時代に愛した女性、サビーヌ。
ジュリアンがパりに行ったのを追って同じくパリに出てくるが連絡もせずに陰ながらジュリアンの成功を見守る女性。
しかし、パリでの生活は決して楽ではなく以前は嫌っていたジャックの庇護の元で暮らすことに・・・。
そしてジュリアンの過去を守るために人殺しまでしてしまう・・・。
大人の女性役なので若手娘役ではなく音波さんが演じられたのは正解だったと思う。
また、サビーヌはダンサー役なので歌より踊りのシーンでの見せ場があるのも音波さんに合っていたと思うな。

ジュリアンを高く評価して自らの後継者と育てている総督の娘、エリザベート。
箱入り娘で育っていてジュリアンの過去も知っているが故に素直に彼を愛せない女性。
ジュリアンが他の女性(アナベル)を愛して初めて自分が彼を愛していたことを気が付くことに。
大人の女性サビーヌと少女アナベルの丁度中間に位置する役だったね。
3人の中では一番感情が激しいけど、一番のお嬢様キャラだったので桜庭さんにも合っていたと思う。
ただ感情が激しい分、観客からは好かれるキャラじゃないけどね(笑)

盲目がゆえに人と接する機会が少なくて今まで男性を愛したことがない少女、アナベル。
伯母のシャルドンヌ夫人の要望にそってジュリアンがその恋愛相手となり初めての愛を知る。
しかし、ジュリアンが他の女性(エリザベート)に告白するのを聞き自らの命を絶つことに・・・。
3人の中では一番出番こそはなかったけど、ジュリアンの人生を一番左右しちゃうので印象に残る役でした。
小桜さんは今まで大劇場では意識はしたことが無かったけど歌が上手い娘役さんですね。

そんな3人を相手するのが主演の礼真琴さん
前作の霧矢さんとどうしても比較しちゃうけど礼さんは私のイメージでは精神的にはサビーヌより下でアナベルより上。
丁度エリザベートと同等の感じだったかな?
それはライバルジャックとの関係でも言えて霧矢さん>龍さん、礼さん<愛月さんの立場だったね。
(ま、年次がそうだもんね(笑))
でも、どちらの関係でも全然お芝居的には問題なく楽しめました。
個人的にはジャックはより大人びている分悪党要素が強くなった愛月ジャックの方が作品的にあっていて好みかな。
愛月さんの悪党役は本当に似合うな(笑))

今回は紅さん率いる「鎌足」組と2分されて若手中心の舞台となってます。
月組では越乃さんが演じられたボランジュ総督は朝水りょうさん
うん、迫力もあったし不満なし!
本当は上級生・専科さんが演じても不思議のない大きな役だったけど朝水さんはやりとげましたね。
(まだ公演は終わってないけど・・・)

最近の全ツは過去の再演物が上演されているけどこの「アルジェの男」も意外と少人数でいけるからいいかもね。
(ラストを含め、内容は一般人向けとは思わないけどね(笑))
ただ、一つだけ不満が。
アナベルの付き人は前回月組では明日海さんが演じらえて3番手格の大きな役でした。
しかし、今回は役名も替えて単なる付き人役になっちゃってた。
ただそれだとアンドレの心情が観客に伝わりにくく、ラストシーンが初めて観た方だと「誰??」になっちゃいそう・・・。
そもそもアンドレの行動理由の”アナベルの死”自体も初めての方には伝わっていたのかも疑問だったしね。
ま、人数の関係でも時間的にも膨らますのは難しかったかもしれないけどね。

今回の全国ツアーは公演日程・公演数も少ないけど多くの方に観てもらいたい作品になっていたと思うよ。
(今からだとチケットを入手するのは難しいけどね)