まさかの続編でした。
しろあです。
タイトルの絵を見ると、誰だって連想するでしょう。『シャイニング』。
実際に作品の紹介をみると、『シャイニング』の続編で、作中の主人公の少年が成長し、
再び因縁のホテルへ向かい決着をつける! というのが本作『ドクター・スリープ』です。
基本的には妖怪退治の物語。
作中に登場するクリーチャーは、大昔から生きているらしく、
人の生気を食べて生き延びてきている。
見た目は現代人なんだけど。
生気を食べ続ければ生きられるけど、食べないと衰弱する。
また、銃で撃たれたりすると死ぬ、結構物理的な設定です。
主人公と、彼が出会う能力者が協力してこのクリーチャーをやっつける、
というのがこの作品の主な設定なんだけど。
そもそも『シャイニング』の幽霊・ゴーストと
『ドクター・スリープ』の怪人・クリーチャーがイコールノットで結びつかない。
そこに最大の問題点があります。
スティーブンキングくらいの作家なので、いろんなアイディアがあるんですが、
普通ならばひとつの独立したタイトルで描こうと思ってたアイディアに、
むりむり『シャイニング』を完結させよう、続編を作ろうとして合体させた感じがありありです。
単独で描けば、……まぁそういうタイトルとして成立したんですけどね。
あまり魅力は薄いけど。
人間がクリーチャーとバトルして勝てる、というバイオハザードくらいのホラーが好きな方には
まぁまぁ楽しめたかもしれません。
そもそも『シャイニング』は生粋のホラーで、先にも書きましたが登場するのはゴースト。
ゴーストはやっつけるものじゃなく逃げて逃れるものです。
そこにどきどきハラハラでスリリングな恐怖が楽しめるってものです。
シャイニングはそこにさらに芸術性もプラスされています。
映画的な芸術演出は、キューブリックの独壇場で、それだけでも見る価値あり。
ラストも含め、十二分に完成された映画でした。
ということで。
『ドクター・スリープ』は残念な作品ですけれど、
少しだけ楽しめるポイントがあります。
次回はそれをお話しましょう。つづくっ!