ある寒村のドラゴン退治#5 ◇535年8の月 専門家の助言 | 白鴉(shiroa)のビバラムービー

白鴉(shiroa)のビバラムービー

~~映画生誕100周年に灼かれたバカの映画遍歴
& アマチュア作家 平塚白鴉のおバカで役立つブログ

意外と完結まで長いですよ。

 

しろあです。

ドラゴンの概要がわかってきて、さらに専門家を招聘してのドラゴン対策。

果たしてドラゴンを退くことはできるのか?

 

===========================================

 

◇535年8の月 専門家の助言

喜ばしい知らせが2つある。

気候が暖かくなると動物も活発に野に山に現れる。
作物も育つ。
ドラゴン対策に用意する肉の量を考えても、
なんとか村を維持していくだけの食料の目途がたった。
これにより村人たちは、休息日を設けながら活動できるゆとりができた。
近くにドラゴンがいることは脅威であるに変わりはないが、
贄を献上することでドラゴン被害が抑えられているのは幸いであった。

しばらく時間がかかったが、ようやく心強いドラゴンの専門家の招聘が決まった。
数人の専門家と手紙のやりとりがあったが、
彼はこのドラゴンに強く関心を持ち、是非研究したいと申し出てきたのだ。
村の情報も可能な限り伝えたところ、村にやってきたドラゴンはグラン種であると判断された。
大きく強いドラゴンではあるが、いたずらに人を襲う種ではないらしい。
北方の国では隣国より攻めてきた軍隊を、
グラン種のドラゴンを従え追い返したという伝説もある。

人に懐くことが本当にあるかは定かではないが、
みだりに刺激しなければ危険はないだろうとのことである。
ただ贄を献上することはあまり薦められないという。
村と巣の近くでは枯れたアカグサで定期的な焚火をするようにとの指示がった。
アカグサの臭いはドラゴンの鋭い嗅覚を鈍らせ、嫌がらせるものらしい。
この土地が気に入らなくなれば、他の地へ移っていくかもしれないという。
さすがに専門家の意見であった。
専門家は10の月に村へ到着する予定である。

不穏な報せが1つある。

6の月の末頃から丘の巣に帰らない日が度々出て来た。
暖かくなってきたことでドラゴンの活動に変化が起きたのだろうか。
昼間も森を徘徊している可能性が出てくると、
危険な為ドラゴンの潜る森へは立ち入りが禁止された。