不思議な住み込み剣術修行! 高橋留美子的ナンセンスを感じる『天狗堂食客記』牧野信一 | 白鴉(shiroa)のビバラムービー

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百年文庫『客』より。

 

しろあです。

 

なかなか人を食ったような作品。

まぁ、読んでみて下さい。コピペ!

 

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百年文庫『客』より。
 

牧野信一さんの『天狗洞食客記』。
 

紹介でやってきた天狗洞で剣の修行をすることに。

 

まず入門から難しい。

お手伝いの女性がいるのだが、彼女は主人のお気に入り。

ちょっと目線を投げかける、気のある素振りをすると即刻退場させられる。
 

なんとか食客として入門することが許されるが、不思議と稽古は無い。

部屋で机の前でじっと読書をして過ごす毎日。

窓の外では主人や女性がよくわからない行動をしており、目に止まる。

たまに部屋を出ると、ドタバタの騒動が起こり、修行の行方や如何に……
 

という捉え所のない作品です。

面白く読めるのですが、全てが主人公の夢とか幻想ではないか? と思えるくらい。

ギャグマンガと思って読むとちょうど良いかもしれません。

 

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高橋留美子のナンセンスさを感じる作品でした。

道場の主人と、若くきれいなお手伝いさんがいい味を出していて、

別に「おれ、剣の道を極めたいんだ!」というつよい決意があるわけではなく、

なんとなくの暇つぶしにやってきたような主人公が

 

 厳しい入門試験を突破する

 

わけのわからない展開、これには主人公も動揺が否めない。

先輩格や一緒に入門試験を受けたものが、きれいなお手伝いさんをチラとみただけで

主人から嫉妬めいた怒りに触れ即破門。この理不尽なスピード感もいい味だしてました。

 

一応、剣術の修行もあるので、剣術物が好きな方も読むと楽しめる……かなぁ?

とりあえず、高橋留美子ファンなら読んで欲しい作品です。