原発さえなければーこれは、2011311日の東日本大震災、その後の福島第一原発事故で、被害にあわれた福島県の酪農家の方が、その遺書を残しで自ら命を絶たれました。そして、先日の東京新聞で、原発があったらという見出しがありました。志賀原発の故障が少し報道されていましたが、珠洲に原発が計画され、住民の闘いで凍結に追い込んだことはあまり知られていないようです。私自身も詳細は知りませんでした。

 

個人的には、ケニヤでお世話になった方が、浪江町の方で、3.11は無事だったのですが、数年後に亡くなられました。また、大学を卒業して最初の会社の1年後輩が、実家の七尾に帰ったりと、とても気がかりです。

 

 

36日(水)の東京新聞こちら情報部に、珠洲原発反対の本を執筆された山秋真(しん)さんのことが写真とともに紹介されていました。さらに、39日(土)14時から神保町で講演会があることが記載されていました。
原発ブローカーの暗躍と反対運動…珠洲原発計画巡る記録が再び脚光 山秋真さん「ためされた地方自治」:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

 

彩流社の出口さんに連絡を取ると、以前東ティモールでお会いしたことのある出口綾子さんでした。

 

 

 

 

39日(土)神保町のネオ書房アットワンダー(ブックカフェの隣り)へ1330分頃到着。出口さんと再会。出口さんが受付、司会を含めほとんどを切り盛りされていました。最初にNHKドキュメンタリー90『原発立地はこうして進むー奥能登・土地攻防戦』(50分)ー七沢 潔さん(元NHKディレクター)によるーを観ました。当時の関西電力の立地部の土地の買収工作と反対住民の共有地獲得の運動などの様子が見ることができました。住民の共有地獲得も凍結に至る大きな要因で、また、93年の珠洲市長選挙で推進派が当選するが、不正選挙が発覚、異議申し立てを提出するが却下。94年推進派の県知事が逝去。「住民合意を最大限尊重する」とする知事が誕生して、潮目が変わったと。結局2003年に珠洲原発計画が凍結に。

山秋真(しん)さんは、名古屋で出会った人から能登に行くことを進められ、それがきっかけと。『ためされた地方自治』を桂書房という富山の出版社から出版されています。また、原発をつくらせない人々』(岩波新書)も。珠洲に加え、山口県の祝島(上関原発予定、中間貯蔵にも名乗り)にも何度も行かれているという。参加者に映画『祝い島(ほうりのしま)』の監督纐纈(はなぶさ)あやさんも。

その後『チェルノブイリ 隠された事故報告』(1994年、NHKスペシャル、59分)を観ました。1986426日の事故の様子を最度見ることができ、また、その事故原因を、設計ではなく、作業員の責任にしようとしたことも知りました。七沢潔さんは、『テレビと原発報道の60年』を彩流社から出版されています。

 

チェルノブイリに関しては、2015年のノーベル文学賞を受賞したスベトラーナ・アレクシェーヴィッチ女史の『チェルノブイリの祈り』がとても衝撃的でした。何も知らされずに、事故現場に駆けつけた消防士が被曝、看病をする妻はお腹に赤ちゃんが。結局、子どもた流産、母体は無事だった。放射能を胎児が吸収し、母体を助けたことを後から知りました。

 

八重洲いしかわテラス

23週間前、国際フォーラムで石川フェアをやっていて、その時に39日(土)日本橋から八重洲に移転オープンすることを思い出して、伺いました。朝、岸田総理や森元総理などがテープカットをしていたという。多くの方が訪れていましたが、珠洲原発のことをどれくらいの人が知っているのだろう?

 

サイエンスZERO『シリーズ原発事故2024

310日(日)223024NHK Eテレで、サイエンスZEROシリーズ原発事故20241)最新報告 処理水・汚染水との戦いサイエンスZERO - NHKをやっていました。土地を削って作ったため、地下水が流入したこと、凍土にすることで1500万トンが90万トンに減少したこと、ALPS(Advanced Liquid Processing System)で取り除けないトリチウムを炭素を使って、3割まで減らす研究、スラリー(slurry)というその放射性廃棄物を含むものをコンクリートによって固める研究など報じていました。

 

ちなみに再放送は、316日(土)111130、シリーズ原発事故20242)最難関 取り出せるか”燃料デブリ”が317日(日)232330放送されます。

 

疑問に思うのは、慰霊と復興への願いが中心で、原発に関しては、マスコミも国民も今一つのように感じます。また、皆さんは原発のことをどれくらい関心を持っているのでしょうか。例えば、セシウム、ストロンチウム、ヨウ素の放射能被害、水素爆発は原子炉の内部のジルコニウムと水が反応して水素が発生し、爆発したこと、東京電力が前面に出て批判の矢面に立っていますが、日立、東芝、三菱重工の原発メーカー、それぞれ、日立はGE(ジェネラルエレクトリック)と、東芝はウェスティンぐハウス、三菱重工は、フランスのアレバと提携しています。また、電源三法によって多額の税金がつぎ込まれていることーなどなど。

 

私も、福島原発の事故までは、原発輸出反対、原発の段階的廃止を思っていましたが、福島原発事故で、原子炉はすぐには止まらないこと、火力発電所が半分くらいしか稼働していなかったことなど知りました。。90年代後半からノーニュークスアジアフォーラムで、原発輸出反対運動ー台湾などーに関わってきましたが、台湾は、2025年までの脱原発を決めています。それまで紆余曲折ありましたが、福島原発事故が反原発への大きなうねりとなりました。先の台湾総統選でも、中国との関係が主に報道されましたが、原発廃止の民進党に対して、国民党は原発再稼働でした。

 

福島を経験した日本、そして日本人。私自身の反省を含め、もっと真実を学び、声を大にして脱原発を訴えなければと思いました。