スウェーデンは、200年以上続いた中立政策を転換し、2024226日(月)最後のハンガリーが承認し、正式加盟が決まりました。32ケ国になり、ロシアのウクライナ侵攻によってヨーロッパの安全保障が変わりました。

 

 

昨日のNHKニュースでも取り上げられていました。とりわけ18歳以上の男女が徴兵制ですが、17歳の青年は「他の国が侵略された時、自分も戦わなければならず、複雑だ。」と。また、スウェーデンのクリステション首相は23日ハンガリーを訪問し、Saab製のグリペンGripen戦闘機4機の購入で同意したという。VOLVOSaabは自動車で馴染みはあるが、SaabVOLVOの関連会社は兵器を製造しています。Gripen The Smart Fighterというサイトがあります。

 

サーブ 39 グリペン - Wikipedia

 

Fighter Systems | Air | Saab

 

 

 

 

ロシアの飛び地カリーニングラードとスウェーデンのゴットランドとは、近い。ニュースでもゴットランドを空母のようにし、グリペン戦闘機の離発着の様子を報じていました。ゴットランドは、魔女の宅急便のモデルになったり、ゴットランドシープでも有名です。

 

追記1 冷戦の終結を受けて、2005年一度スウェーデン軍はゴットランド島から撤退したが、2014年のロシアによるクリミア半島の占領を受け、方針を転換。2016年に軍事演習を再開させた。

ゴットランド島 - Wikipedia

 

追記2 228日(水)の東京新聞の3面と4面にスウェーデンNATO加盟決定の大きな記事がありました。スウェーデンは10年に徴兵制を廃止したが、ロシアの脅威の高まりを受けて18年から復活させたと。

冷戦後の1990年前半から徐々にNATOとの関係強化に乗り出し、94年には欧州中立国と旧ソ連諸国とNATOの協力枠組み「平和のためのパートナーシップ」を締結した。

平和のためのパートナーシップ - Wikipedia

 

NATO - Topic: Partnership for Peace programme

 

ただ、私は、以前スウェーデンに平和外交などを学びに行き、論文もSweden and Japan in the World - Toward the Permanent Neutrality Declarations -を書きました。ナポレオン戦争が終わった1815年以降戦争に巻き込まれていません。ちなみに1815年のウィーン会議でスイスの永世中立が決まりました。1960年代に150年の平和を記念して、SIPRI(ストックホルム国際平和研究所)を設立したり、パルメ首相のパルメ委員会で軍縮を提唱したり、また、様々な国際会議を開いてきました。

 

SIPRIは先日亡くなったヨハン・ガルトゥング氏が設立したPRIO(オスロ国際平和研究所)、TAPRI(タンペレ国際平和研究所)と並ぶ平和研究所です。私は、またケニヤからスウェーデンへの世界一周のMy Little Peace Journeyの中で、板門店に行きースイスとスウェーデンが中立国監視委員会として非武装の軍人を送っていました。ヨーロッパも旅し、イギリス・ロンドンのパグウォッシュ会議や、スイス・ジュネーブの国際連合ヨーロッパ本部Palace de Nationやウィーンの国際連合ヨーロッパセンター、オランダのアンネの家やハーグの国際司法裁判所、そしてベルギーでは、市庁舎の前のGrand PalaceGODIVA本店に加え、EUNATOの本部も行ったことがあります。もちろん、中は入れませんでしたが、大きな看板にBELGIUMとあり、赤い斜線でここはベルギーではないとあったのを覚えています。

 

かつてのスウェーデンの中立は、社会民主党だけでなく中道右派の穏健党(Moderate)なども中立を支持していたが、今回のスウェーデンの中立からNATOへは社民党によって主導され、昨年政権交代が起き、それまで野党だった穏健党(Moderate)が中心の連立政権でクリステンション首相がその時の当事者となりました。

 

ウクライナへのロシアの侵攻を考えると理解できる部分もありますが、それなら、ウクライナも早くNATOのメンバーになれば、ロシアは侵攻を躊躇するだろうし、また、現状アメリカやNATO各国による短距離ミサイルなどの供与を考えれば、長距離ミサイルで、ロシアのミサイル基地や空軍基地を破壊するという方法もあり得るのでは。黒海のロシア艦隊への爆撃のように。

 

もちろん、ロシアの侵攻停止、オーストリアなどによる仲介ーウクライナの永世中立とロシアによる占領地のへ返還(クリミア半島も)が理想だが、先のような選択肢も考えられると思います。

 

皆さんはどうお考えですか?