初めて口にした言葉。 | 文武両道を目指す14歳、悪性リンパ腫になる Part2

文武両道を目指す14歳、悪性リンパ腫になる Part2

高等支援学校3年生の娘と、高校1年生の息子の母です。
勉強にサッカーに大忙しの息子がR4.3月、13歳の時に
悪性リンパ腫(Tリンパ芽球性リンパ腫)と診断されました。
8ヶ月の入院治療を終えて、いまは外来で維持相の治療中です。

先日受けた外部模試の暫定結果が届いた。

 

前回の外部模試でビックリするくらい点数が低かったので、今回は自分なりに頑張ったようだ。少なくても前回よりはいい結果を期待していた。

 

ところが…前回よりも低い点数だった。これには息子もショツクを受けている。第一志望の高校は合格率50%、第二志望は80%と出た。

 

本人が目指している医師になるには、第一志望の高校が偏差値的にも受験サポートの面でも断然有利。ただし学習面でかなりハードで校風も質実剛健・文武両道。まだ体調が万全ではない息子には不安がある。

 

闘病中の生徒への支援は、第二志望の高校のほうが手厚い。でも、医学部の合格者は第一志望の高校と比べるまでもなく少ない。う~む、悩む。

 

結果の用紙をじっと見つめ、息子はつぶやいた。

 

 

「病気にさえならなければなあ…。」

 

 

 

私は、息子が弱音を吐くのを初めて聞いた。

 

脊髄にもがん細胞が浸潤していたため両足が麻痺して動かなくなった時も、抗がん剤の副作用で体調が悪く起き上がれなくなった時も、イレウスでのたうち回るほど痛みが強かった時も、息子は一度も文句や弱音を言わなかった。

 

病気について聞いた時も、「なってしまったのは仕方ないから、さっさと治療して治しちゃえばいいと思う。」とサラリと言っていた息子だ。

 

実際、入院する前の成績なら第一志望は充分に狙える感じだった。入院中はオンライン授業で頑張っていたけれど体調が悪く受けられないことが多かったし、退院後も欠席が続いていた。それが影響していることは間違いないのだろう。

 

息子が初めて口にした弱音に返す言葉が見つからなかった。誰のせいでもないのは分かっていても、「ごめんね…」と言いそうになり、こらえた。息子はそんな言葉を聞きたいわけではないのだから。

 

息子よ、いっぱい悩んで結論を出そう。あなたの将来への第一歩、母は頑張って支えるよ。