ウイッグ卒業。 | 文武両道を目指す14歳、悪性リンパ腫になる Part2

文武両道を目指す14歳、悪性リンパ腫になる Part2

高等支援学校3年生の娘と、高校1年生の息子の母です。
勉強にサッカーに大忙しの息子がR4.3月、13歳の時に
悪性リンパ腫(Tリンパ芽球性リンパ腫)と診断されました。
8ヶ月の入院治療を終えて、いまは外来で維持相の治療中です。

息子の髪の毛は、入院中に抗がん剤治療をしている時はほとんど抜けたが残っている部分もあり、よく言われる「落ち武者状態」だった。

 

そして頭部に放射線治療をしたら、全部抜けてツルピカになった。

 

退院後1ヶ月ほどしたらふわふわな毛が生えてきた。赤ちゃんみたいな、細くて優しい手触り。以前はパリっとした毛質だったので何だか珍しく、ついなでなでしたくなる。

 

息子の希望でウイッグを作り、学校に行くときはかぶって行っている。息子は脱毛していることは周りに隠さないが、脱毛している姿は見られたくないと言っていた。

 

入院中「退院しても髪が生えるまでオンライン授業じゃダメかな」と言ったこともあったが、ウイッグのお陰で登校することが出来た。学校に行きたい息子、髪の毛のことで登校できないとしたら、つらかっただろう。

 

最近段々に髪の毛が伸びてきて、ウイッグをかぶると浮き気味な感じになってきた。

 

息子に言うと、まだ自分のイメージ通りに髪が伸びていないようで、「キリのいいところで4月になったらウイッグ卒業するかも」ということだった。

 

ところが。

 

3月始めに「立志式」というものがある。将来の目標や夢を明確にして発表する式で、発表以外に合唱やダンスなどもあるらしい。

 

この中で急いで着替えをする場面があり、練習してみたらその時にウイッグがずれてしまうことが分かった。狭い場所での早着替えだし、鏡もないそうだ。

 

「どうしよう。やっぱそろそろウイッグ卒業しようかな。」

「いいんじゃない?全然不自然じゃないよ。」

実際、野球部とか短髪の人くらいには、もう伸びている。

「んじゃ、キリのいいところで5次考査が終わったら、やめよっかな。」

 

アデランスとアートネイチャー、闘病中の子どもに無料でフルウイッグを作るチャリテイをしていてお世話になった。どちらもとても親切で丁寧に対応してくれた。

 

息子は体調が優れずに登校がきついことも多い。そんな中、ウイッグがあったお陰で髪の毛のストレスがだいぶ軽減されたと思う。フルオーダーのウイッグは、普通ならとても値段が高くて我が家では作れないような物。本当にありがたかった。

 

今日は5次考査。朝「今日がラストウイッグだ~。」と言いながら、ウイッグをかぶって登校していった。