朝、体調どお?とLINEをしたらすぐに返事があった。
「お腹が結構痛い。」
普段「大丈夫」「いつも通り」「あー」しか返事をよこさない息子、何か違和感があった。
「我慢しないで看護師さんに言ってね。」と返すと「はい」とのこと。ちゃんと言ってくれればいいけど。
仕事中、スマホに大学病院から着信。急いで出てみるとドクターからだった。
「腹痛がかなり強いです。今までに無いくらい痛がっています。膵炎の疑いがあるので、造影剤を使ってCTを撮りたいので許可いただけますか。」「結果が出たらまた連絡します。」
血の気が引いた。あの我慢強い息子がそんなに痛がるなんて、相当だ。抗がん剤の副作用に膵炎があるのは知っていたけれど…。再寛解導入相に入り、だんだんに退院後のことを考えていたが、一気に不安になった。仕事が手につかない。
夕方、またドクターから電話があった。膵炎ではなくイレウスだった、とのこと。抗がん剤と、併用しているステロイド剤の副作用で、腸が麻痺して動かなくなっているらしい。
前回の寛解導入相の時も、かなり強い便秘と痛みでグッタリなったことがあった。今回はそれに放射線治療が重なったのも、もしかしたら良くなかったのか。
まずは絶食。しばらく抗がん剤は中止。イレウスの治療を優先して体調の回復を待つことになった。
診断がついて一安心、なはずだけれど。胸に残った、どうしようもなく不安な気持ちは全く晴れない。
そう、搬送された当初感じた、側にいたくれもいられない、自分が何もできない、息子が今どんな状況なのか、助かるのか、どうなのか、心の奥底に沈んでいた身の置き所の無いあの気持ちが、今回のことで蘇ってきた。
大丈夫。息子は大丈夫。心の中で繰り返した。